廃止措置を安全かつ合理的に進めるためには、計画段階において作業員被ばくの低減、コストの最小化等を考慮した作業計画の立案が重要であるとともに、実施段階では、現場の作業支援や発生する廃棄物の処理処分に向けた情報管理等が必要となります。このため「ふげん」では、廃止措置の着手前から、これらを実現するため、計算機を用いた廃止措置エンジニアリング支援システム(DEXUS*)を構築するとともに、廃止措置の着手以降は、その実績や経験を基に更なる高度化を進めています。具体的には、国内で初めて実施された動力試験炉(JPDR)の解体で開発された原子炉施設の廃止措置計画策定及び管理のための計算システム(COSMARD)等の成果を反映し、3次元CADデータや仮想現実(VR)・可視化技術を活用して、解体作業における作業工数、被ばく線量、廃棄物の発生量、解体工程等の事前評価を実現するとともに、最新の「ふげん」の解体実績を踏まえた評価手法の高度化等を行っています。
また、大学との共同研究により、作業計画時や解体作業時に拡張現実感(AR)・可視化技術を用いて現場での解体シミュレーションを支援する技術の開発等を進めています。
さらに、これらの実績や経験に基づく知見については、「ふげん」における技術継承はもとより、商業炉等の廃止措置への展開を見据え、知識マネジメントシステムとして構築し、体系化を進めていきます。
*Decommissioning Engineering Support System⇒DECSUS⇒DEXUS