平成14年12月4日
核燃料サイクル開発機構
敦  賀  本  部

新型転換炉ふげん発電所の原子炉起動及び発電再開について

新型転換炉ふげん発電所(新型転換炉原型炉:定格電気出力16.5万kW)は、平成14年11月5日から平成14年度計画停止作業を下記のとおり実施してきましたが、12月5日夕刻に原子炉を起動し、翌6日午後に発電を再開する予定です。

1.主要作業

(1) 燃料取替作業
燃料集合体224体のうち、27体を新燃料集合体(うち24体は混合酸化(MOX)燃料集合体)と取替え、特殊燃料集合体1体を別の特殊燃料集合体(再装荷)と取り替えました。
なお、今回の燃料装荷により新型転換炉ふげん発電所のMOX燃料装荷体数は累積で772体となりました。

(2) 機器・弁類の点検

原子炉およびタービン系の機器・弁類の外観点検等を実施し、異常のないことを確認しました。

(3) 蓄積放射能量の調査(図-1参照)

「ふげん」の廃止措置の準備として、構造物に含まれる放射能量を評価するため、第17回定期検査時等に原子炉廻りやタービン建屋に取付けた放射化箔(中性子照射により放射化する金属箔)の一部を回収するとともに、新たに取付けを行いました。
また、原子炉補助建屋のコンクリート壁のサンプリング調査についても実施しました。

(4) ヘリウム循環系戻り配管の点検(図-2参照)

昨年5月に発生したヘリウム循環系戻り配管のトリチウム漏れ対策として、SUS316L材に交換した配管について、健全性を確認するため、超音波探傷検査を実施し、異常のないことを確認しました。

2.計画停止中の補修工事

(1) 起動用真空ポンプドレンセパレータの交換 [11月28日発表済み]
11月5日、起動用真空ポンプの運転を開始した際、水撃現象によってドレンセパレータが損傷したため、胴部に溶接部のない新しいものに取替えました。

(2) 給水加熱器ドレン配管の交換(図-3参照)  [11月22日発表済み]

11月7日、給水加熱器ドレン配管からの漏水が認められました。原因は配管内を流れるドレンによる減肉現象であったことから、当該配管ならびに類似の配管について、配管の取替えと手動弁の追加を行いました。

3.計画停止期間の変更(図-4参照)

11月7日より燃料取出しを行っていたところ、燃料交換機グラブ作動ポンプの軸シール部の排水系統からの排水量が通常より増加したため、11日、燃料交換作業を中断し、同ポンプの点検を行うこととしました。
ポンプを分解点検し、軸シール部のメカニカルシールを交換した結果、排水量が通常状態に復旧したため、11月22日より燃料交換作業を再開しました。
このため、計画停止終了時期が以下のとおり変更となりました。
原子炉起動
(変更前): 11月25日

(変更後): 12月5日

4.今後の予定

平成15年3月末 運転停止
以 上