第6章 「ふげん」の運転実績

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6.1.13 労働安全
(1)労働安全管理体制
 「ふげん」の建設工事着工に先立ち、昭和45(1970)年11月に、建設工事の災害防止を目的とした労働安全の組織として、動燃、電源開発、主要元請5社及び一次下請会社で構成するATR建設協議会が設置された。その後、「ふげん」の運転準備の進行に伴い、昭和52(1977)年4月に、ATR安全協議会に改組されて現在に至っている。
 ATR安全協議会は、会長(発電所長)及び統括安全衛生責任者(受注者の長)の下に、定例会、幹事会の会議開催をはじめ、安全パトロールなど、種々の活動を展開している。
 一方、発電所内の安全衛生に関しては、労働安全衛生法に基づき、昭和51(1976)年7月、所長以下職員で構成される安全衛生委員会の設置及び安全衛生推進員の選任が行われた(図6.1.93参照)。
 安全衛生委員会(月1回開催)においては、発電所の安全衛生に関し所長の諮問に応ずるほか、重要事項を調査・審議し安全衛生に関する業務の執行について適時勧告を行っている。また、安全衛生推進員は、現場パトロールを中心に、安全確保のための活動を行っている。
(2)労働災害統計
 ふげんの労働災害は、建設段階においては、死亡事故等の重大災害の発生はなかったものの、休業1日以上の災害が年間4〜5件発生していた。
昭和58(1983)年から開始したKY活動、ヒヤリハット活動により、それ以降、災害の発生が減少し、昭和58年〜平成8(1996)年の間、連続無災害継続時間が、1,500万時間以上となり過去最高となった。
 平成12(2000)年及び14(2002)年に休業4日以上の災害が発生し、連続無災害の継続が途切れている。
 最近の労働災害の傾向としては、小さな災害(切れ・擦れ・挟まれ)の不休災害が発生しており、中央災害防止協会による現場安全診断、リスクアセスメント等の新たな活動の展開により、災害ゼロを目指す努力を行っている(表6.1.35参照)。
(3)安全衛生管理活動状況
 「ふげん」における安全衛生管理活動については、全社の「安全管理基本方針」を受けて、年度ごとに策定される「ふげん発電所安全衛生管理基本方針」に基づき、従業員の安全確保及び衛生の維持に必要な措置を講じ、労働災害及び健康障害の未然防止に取り組んできた。
 「安全衛生管理基本方針」の主要項目としては、
・プラントの安全・安定運転の維持
・作業安全の確保
・放射線被ばくの低減
・品質保証活動の推進
・自主保安の強化
・危機管理・防災体制の充実強化
などがあげられた。



図6.1.93 安全衛生管理組織


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