第3章 「ふげん」の設計![]() |
第 3 章 |
ている。また各設備は、“Fail Safe(故障すれば安全側に機器が動く)”の基本で作られている。原子力発電所の立地審査指針に従って、原子炉冷却系で大破損が起ったと仮定して、全炉心の1/2の燃料の被覆管が破損し、燃料内にあった放射性物質が、格納容器内に放出されたとしても、敷地境界での被ばく線量は、立地指針で定められた値の1/10以下になると解析評価されている。 通常運転中に原子炉からわずかに放出される放射性希ガスも、自主開発した活性炭方式の希ガスホールドアップ装置(国内の発電所でも利用されている)で補捉し、十分に減衰されるので発電所敷地境界で目標とされている線量を十分に下まわっている。 3.5.2 「ふげん」の構成 「ふげん」は、軽水炉のBWR(沸騰水型炉)同様、原子炉で発生した蒸気をそのままタービンに導いて発電機を回す直接サイクルを採用しており、タービン発動機、給復水系などはBWRに類似している。 「ふげん」は、原子炉本体、原子炉冷却系、燃料交換装置等を収容する原子炉建屋を中心に、原子炉補助建屋、タービン建屋及び燃料貯蔵プール建屋が隣接して配置されている(図3.5.1)。原子炉補助建屋には、原子炉補助系設備、非常用炉心冷却系設備及び放射性廃棄物処理設備などが収められており、タービン建屋には、給復水設備、タービン設備及び発電機設備が収められている。 また、中央制御室(写真3.5.1)は原子炉補助建屋内にある。 3.5.3 原子炉本体と原子炉冷却系 原子炉本体と原子炉冷却系の説明図を図3.5.2に、炉心断面図を図3.5.3に示す。 原子炉の炉心を収容する容器はカランドリアと呼ばれる。カランドリアは、おおよそ高さ5m、内胴(炉心タンク)直径5m、外胴直径8mのステンレス鋼製二重円筒容器で、炉心タンク部には224本のジルカロイ製カランドリア管が、上下の管板にロールドジョイント法(拡管法)によって接合されている。炉心タンク内の空間には、減速材の重水が満たされており、各カランドリア管内には、圧力管が挿入されている。 圧力管は、燃料集合体を収容し、また冷却材(軽水)の通路になっている。「ふげん」では圧力管の下端から燃料の出し入れを行うので、通常は圧力管 |
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