プラント運転管理技術の開発成果(6)



計算機利用技術の開発

  「ふげん」では、運転開始以来、運転・保守管理の高度化を目的として計算機システムの開発・導入を図ってきており、近年では、最新の計算機ハードウェアとソフトウェアの組み合わせにより多くのシステ

ム開発を行ってきました。これらの技術は、従来困難とされていた運転員や保守員のノウハウをシステム化することを可能としており、「ふげん」に蓄積された技術の高度化と体系化に大きな成果をあげています。

 (1) ファジィ理論を応用した制御システム

  ファジィ理論は、従来の制御系における明確な論理体系の限界を認識して発案された理論であり、これを応用した制御システムはPID(比例・積分・微分動作)制御に比較して、よりよい制御特性を発揮できる可能性があります。
  「ふげん」では、微妙な運転操作を要する低出力時の原子炉給水制御において運転員の知識や経験が必要なことから、ファジィ制御の適用が有効と判断

し、パイロットシステムでの開発を経て、平成4年に実機への適用を行いました。原子炉給水制御系は、蒸気ドラム水位を設定レベルに保つように給水量を制御する系統で、ファジィ制御では、運転員が手動制御する場合と同様に、蒸気ドラム水位の他に原子炉出力、給水流量等のプロセスデータを基に制御量を推論するため、熟練運転員に近い良好な制御特性が実現できます。



昭和61年度から開発してきたファジィ制御システムを平成4年度に給水制御系に適用しました。



ファジィコントローラブロック線図