「ふげん」の建設は昭和45年に開始されましたが、電気事業者や日本原子力発電(株)、電源開発(株)などの協力の下、工事は初期の計画どおり進捗し昭和52年には機器の据付が完了しました。その間、合理化のため原子炉再循環系ループ数の削減など、炉心に関わる大きな設計変更を行いましたが、大型試験施設の活用や重要機器の国産化を図っていたことにより短期間で対応でき、工事計画に影響を与えなかったことも自主開発の成果として特筆できます。続く総合系統機能試験とプラント起動試験においては、プラントを構成する機器やコンポーネ |
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ントなどの基本性能と各系統全般 にわたる機能の確認、原子炉の核特性試験やプラント動特性試験、初送電を含む出力上昇試験などが綿密な計画の下に実施され、得られた結果は設計値や試験施設でのデータ、予測解析などと比較検討されその十分な妥当性が確認されました。ここに、「ふげん」は発電プラントとして安定した定格出力運転が可能なことが証明され、国内の工業技術レベルの高さが示されると同時に、実質的に初の国産動力炉の誕生となりました。特に、昭和 53年7月29日に初送電が達成された瞬間は、わが国が希求し総力を結集した、工業技術の夢がみごとに結実した瞬間でした。
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