安全研究センターの西田 明美 副センター長は、原子力分野における耐震解析に関する研究とその計算科学技術への貢献に対して、日本原子力学会 計算科学技術部会賞「部会功績賞」を受賞しました(2024.3.28)。
この賞は、計算科学技術分野において幅広くかつ顕著な貢献のあった個人を対象としその貢献を讃えるものです。
概要
- 受賞件名:
- 耐震解析に関する研究とその計算科学技術への貢献
長年に渡り、高度な計算科学技術を用いて原子力施設の建屋や機器を対象とする耐震解析や耐震評価に携わり研究成果の創出及び標準化に努めた。
具体的には、スーパーコンピュータ上に仮想振動台を構築して原子力施設全体の地震時の応答をシミュレーションする技術の研究開発を進め、建屋や建屋周辺地盤を対象として3次元詳細解析モデルを用いた耐震解析手法を確立した。
また、地震観測記録との比較により当該手法の精度向上を確認した上で、世界初の標準的な解析要領をとりまとめ、外部専門家の確認を得て公開した。成果の一部は原子力規制委員会の技術報告に反映され、国際的に高い水準の顕著な成果が得られており、原子力施設の地震応答解析手法の高度化に尽力した。これらの研究は計算科学分野の発展に大きく貢献している。
さらに、計算科学技術部会においては、2010年より総務委員を務め、その後、部会長を務めるまで、部会の活性化に貢献した。部会長の任期においては、ニュースレターの発刊、若手研究者の相互啓発等を目的とした若手フォーラムの開催、国際会議におけるスペシャルセッションの企画等に尽力した。

