臨界安全研究グループ

英語版 Press Kit(Aug.2021)

我が国では、使用済燃料を含む核燃料物質を既に大量に保有しており、安全に管理する必要があります。そして、それらの核分裂性物質を取り扱う場合には、適切な臨界安全管理及びその安全規制が必要になります。

効率的な臨界安全管理を実現するためには、精度の高い臨界解析により合理的な安全裕度を設定しなければなりません。その典型的な例が、燃料の燃焼に伴う反応度低下を臨界評価において考慮する燃焼度クレジットの導入です。本質的な研究の必要性は、安全裕度が明確でない場合に発生します。福島第一原子力発電所(1F)事故の炉心溶融で生じた燃料デブリの臨界安全管理は、まさしくこれに該当します。当研究グループでは、以下の研究を進めています。

(1)燃料デブリ臨界リスク評価基準整備

溶融炉心コンクリート相互作用(MCCI)を経た燃料デブリについて、取り得る性状範囲の評価及び臨界特性を解析して、臨界マップ(臨界となる条件を図示したもの)を作成しています。また、燃料デブリ取出しに向けた準備作業及び取出作業を想定して、臨界リスクを評価する上で考慮すべき事象を検討しています。

(2)臨界実験装置を用いた臨界マップの検証実験

(1)で作成する臨界マップを検証する実験を行うため、臨界実験装置と燃料デブリを模擬した材料(デブリ模擬体)の調製や分析を行う設備の設計を進めています(参考情報)。

(3)燃料デブリの乱雑な組成分布のための臨界計算手法の開発

核燃料や構造材、コンクリート等による燃料デブリの乱雑な組成分布に起因する臨界特性の不確かさを解析するための連続エネルギーモンテカルロ法ソルバーSolomonを開発しています(参考情報)。

(4)燃焼計算の妥当性確認のための照射後試験及び燃料デブリの核種組成分析の検討

軽水炉燃焼燃料の照射後試験を実施し、燃焼計算結果との比較を通じて、燃料デブリの組成評価に必要な燃焼計算の妥当性を確認しています。また、この組成分析技術に基づいて、将来的に1Fで採取される燃料デブリサンプルの組成分析を行うための検討を行っています。

図1
図1:臨界実験概念図

ページTOP