世界最高性能の核融合炉燃料プラズマ加熱用マイクロ波源を開発-2つの周波数で長時間高出力を実現-|日本原子力研究開発機構:プレス発表

【用語解説】

1) ジャイロトロン

磁場に巻き付いた電子の回転運動をエネルギー源として、波長の短い高出力の高周波(マイクロ波)を発振させる大型の電子管です。 ジャイロトロンの名は、磁場中の回転運動(ジャイロ運動)に由来します。 高出力のマイクロ波は、核融合炉内の燃料(水素プラズマ)へ入射することにより、核融合反応が効率よく起こる温度に加熱したり、プラズマ中で発生した乱れを抑制したりするために用いられます。

2) 加熱位置可変式マイクロ波加熱装置

マイクロ波を用いた核融合プラズマの加熱は、マイクロ波の周波数に対応するプラズマを閉じ込める磁場の強さの位置で、局所的な加熱ができることが特徴です。 そのため、周波数を変えることで加熱位置を変えることができ、この機能を有する加熱装置を加熱位置可変式マイクロ波加熱装置と呼びます。 この装置を実現するためには、細かく出力周波数を変えられるジャイロトロンが必要です。

3) 3極型電子銃

電子ビームを引き出す電極として、陰極、陽極の他に引き出し電極(電子の引き出し方向を制御する電極)の合計3つの電極を持つタイプの電子銃を3極型と呼びます。 陰極、陽極の2つしか持たない2極型も存在します。2極型電子銃は電極数が少ない分構造が簡単になります。 一方、3極型電子銃では引き出し電極の電位を任意に制御できるため、電子の全運動エネルギーに対する回転運動エネルギー比率(電子のらせん軌道の巻き具合)を制御することができる特徴を持ちます。 日本では3極型電子銃によるジャイロトロン開発が主流ですが、ロシアやヨーロッパでは2極型電子銃によるジャイロトロン開発が主流です。

4) ギガヘルツ(GHz)

「ギガ」は109を意味します。「ヘルツ」は周波数の単位で、1秒間の変動数を意味します。 電子レンジでは2.45ギガヘルツのマイクロ波が用いられています。

5) JT-60SA

JT-60SAの外観

国際熱核融合実験炉(ITER)計画の幅広いアプローチ活動として日欧共同で実施するサテライトトカマク計画と、わが国で検討を進めてきたトカマク国内重点化装置計画の合同計画として、茨城県那珂市の原子力機構那珂核融合研究所に建設中の超伝導トカマクです(右図)。 JT-60SAでは加熱装置の1つとして9基のジャイロトロンからなるマイクロ波加熱装置が装備され、7000キロワットのパワーをプラズマに入射して加熱する予定です。


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