日本原子力研究開発機構：プレス発表

【発表のポイント】

高温ガス炉とこれによる水素製造技術の今後の研究開発の在り方を検討するため、外部有識者から成る高温ガス炉及び水素製造研究開発・評価委員会の評価を受けた。
その結果、「熱利用産業・運輸部門における炭酸ガス排出量低減のため原子力エネルギーにより熱需要に応えるという目標は重要であり、高温ガス炉とこれによる水素製造技術を我が国が持つことが必要。そのため、ＨＴＴＲを用いた研究開発を行うべき」との評価結果が示された。
原子力機構では、評価結果を公開報告書にとりまとめた。今後、研究計画を定めるにあたり、この評価結果を活用していく。

独立行政法人日本原子力研究開発機構（理事長：松浦　祥次郎、以下「原子力機構」という。）では、高温ガス炉とこれによる水素製造技術（注１）の研究開発を進めています。

平成２６年２月、今後の研究開発の在り方を検討するため、外部有識者から成る高温ガス炉及び水素製造研究開発・評価委員会から研究開発の意義、内容等について評価を受け、このほど評価結果を公開報告書にとりまとめました。

（以下、評価結果の概要）

我が国の熱利用産業・運輸部門における炭酸ガス排出量低減に貢献するため、原子力エネルギーによって熱需要に応えるという目標は重要であり、原子力の中で最も有望な技術の一つである高温ガス炉とこれによる水素製造技術を我が国が持つことが必要である。
高温ガス炉とこれによる水素製造に関する基盤技術の確立を目指し、９５０℃の超高温ガス炉に向け、高温工学試験研究炉（ＨＴＴＲ）等を用いた研究開発を行うべきである。
７５０℃の高温ガス炉のリードプラントの建設、９５０℃の超高温ガス炉に向けた研究開発を産業界等関係各所と強く連携しつつ推進していくことが重要である。
原子力水素製造（ＨＴＴＲ－ＩＳ）試験計画については、水素社会への我が国の対応状況に即した取組が必要である。
ＨＴＴＲは、国際共同研究及び国内外の高い専門性を有する原子力人材の育成等の目的にも、積極的に有効利用すべきである。

今後、高温ガス炉とこれによる水素製造技術に関する研究計画を定めるにあたり、この評価結果を活用していく予定です。