【用語解説】

◆ フェルミ端部

結晶の基底状態において電子に占有される準位の中で、最もエネルギーが高いものをフェルミ準位という。基底状態ではその準位より上には電子は存在しない。特にその準位をフェルミ端部と云い、光電子分光やエネルギー損失分光でもその端部の電子分布観察により化学結合状態を議論したりする。

◆ 不等間隔溝回折格子

格子溝の間隔を不等間隔かつ曲線溝にすることで、スペクトル像の収差補正を可能にした回折格子。レーザー光の球面波同士による2光束干渉(ホログラフィック)で回折格子溝を形成するが、非球面波露光技術により収差補正に優れたものが製作できるようになっており、放射光ビームラインの回折格子分光器やプラズマ診断等の発光分光器に広く利用されている。

◆ 汎用透過電子顕微鏡

市販されている100kVから400kV程度に加速した電子を用いた透過電子顕微鏡。これに対して1000kV以上の電子を用いたものは、超高圧透過電子顕微鏡と呼ばれ、一般的な装置とは異なる。

◆ 電子プローブマイクロアナライザー

加速したプローブ電子を試料に照射したとき照射領域から放出される特性X線を分光して、その部分に存在する元素の種類および存在量を測定する装置。

◆ 走査電子顕微鏡

一般にSEM(scanning electron microscope)と呼ばれる。細い電子プローブで試料表面を走査し、その電子プローブの照射点から放出される種々の電子、電磁波を検出して画像化する装置。電子プローブを作り走査する電子光学系、信号を検出する検出器、試料を保持する試料ステージ、画像を表示・記録するためのモニター・記録系、鏡筒や試料室を真空にするための真空排気系、これらの操作をするための操作系などから構成される。

◆ P/B比

スペクトルのバックグラウンド強度(B)に対する、ピーク強度(P)の比。


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