用語説明

1) Webシステム
インターネットを介して動作するシステムをいいます。利用に当たって、利用者は、PCでインターネット環境を整備するだけで、他のインストールやその後のメンテナンス作業を行うことなく、利用できる利点を持ちます。
2) インターフェイス画面
利用者が、PCの画面上に表示されるウィンドウ、アイコン、メニュー等をマウスやキーボード等を用い、視覚的に計算条件等を入力するための画面をいいます。
3) 日本国内の単位人口当たりのCT装置の台数
厚生労働省の2008年医療施設調査によると、日本国内の医療機関で所有するCT装置の数は100万人当たり94.1台です。この数字は、国連科学委員会2008年報告書にある各国の統計データと比較しても、世界的に最も多くなっております。また、CT撮影の件数についても、世界で米国と並びトップクラスと推測されております。
4) シミュレーション計算
放射線の物質中での振る舞い(挙動)については、コンピュータで数値的に模擬することができます。CT撮影による被ばく線量についても、装置内でのエックス線発生から、人体内での挙動までを、シミュレーション計算で評価することができます。シミュレーション計算を利用することで、多様な撮影条件について、系統的に被ばく線量を解析することができますが、装置内のエックス線の挙動、患者を正確に数値でモデル化することが重要となります。WAZA-ARIの開発では、日本原子力研究開発機構が中心となって開発した「粒子・重イオン輸送計算コードPHITS」を用いたシミュレーション計算により、線量データベースを整備しました。
5) 欧米で開発された既存のシステム
既存のシステムの中では、旧英国放射線防護局(NRPB、現:英国健康保健局HPA)が中心となって、1990年代初頭に開発したImPACTが日本国内でも利用されています。このプログラムは、一般的に利用されている表計算ソフトウェアを利用して、CT装置に用いる機種、撮影範囲等を設定し、線量計算を行います。
6) CT-AEC(Auto Exposure Control、自動露出管理機能)
一般に肩周辺では、人体断面の質量が大きく、診断に必要な画像を取得するためには、管球の電流(管電流)を高くして、より多くのエックス線を照射する必要があります。一方で、空気を含む肺の周辺では質量が小さいので、より低い管電流でも鮮明な画像は取得できます。最近の装置に導入されているCT-AECを動作した場合、撮影中に患者の体型を測定し、画像取得に必要な管電流を設定したうえでエックス線を照射しますので、一定の管電流で撮影した場合よりも被ばく線量は低減されます。
7) ファントム
線量測定では、人体を代用するファントムと呼ばれる物体を用いることがあります。ファントムの形状や材質は、目的とする線量評価で異なりますが、CT撮影による被ばく線量の指標の測定では、アクリル製の円筒形の物体をファントムとして用います。
8) CT撮影における被ばく線量の指標
CT装置のベッド上にアクリル製の円筒形ファントムを置きます。このファントムの周辺部及び中央部には孔が開いており、その内部に検出器を挿入して実測した線量をCT撮影における被ばく線量の指標としております。

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