平成23年10月31日
独立行政法人日本原子力研究開発機構
独立行政法人日本原子力研究開発機構(理事長 鈴木篤之。)原子力基礎工学研究部門は、セシウムで汚染された土壌等による被ばく線量について、除染により、空間線量率1)がどのように低減するかを評価できるソフトウエアを開発しました。
当機構ホームページにおいて無償で公開します。
福島第一原子力発電所事故で生じた環境汚染による被ばく線量を低減するために、今後、各地で除染作業が進められます。このソフトウエアは、除染作業に先立ち、除染の効果を評価し、被ばく線量を効率的に低減するための除染方法や手順の検討を支援することを目的に開発されました。
本ソフトウエアは、除染対象エリアの地形データに、文部科学省で実施している航空機モニタリングのデータや放射線モニタリングで得られた測定データを入力することにより、空間線量率の分布を評価し、地図上に表示します。この分布図上で、放射性物質を除去する範囲を指定すると、空間線量率がどのように低減するかが数秒で計算され、その結果が地図上にカラーマップで表示されます。この計算結果は、3次元で詳細に放射線の挙動を計算するコードとほぼ同程度の精度であることを確認しています。
このソフトウエアを使用することにより、目標とする値まで空間線量率を低減するために、必要となる除染の範囲や放射性物質の除去割合について様々なケーススタディを短期間に行い、最適な除染方法を検討することができます。
本ソフトウエアは、学校等の公共施設、民家、農地または森林等を含む広範囲の領域を対象とし、Microsoft® Excel 2007及び2010で利用できます。放射線モニタリングデータや除染条件の入力、計算結果の表示は、グラフィカルユーザーインターフェースを通して、簡単に行うことができます。本ソフトウエアは、除染方法の検討、除染効果の評価等に有用なツールとして、今後、除染作業を進める上で役立つことが期待されます。
なお、本ソフトウエアは、以下の当機構ホームページから11月2日以降、無償で入手することができます。
以上