用語説明

1)ISO (International Organization for Standardization)
国際標準化機構とよばれ、標準化を国際的に推進する組織
2)ISO17025 (JIS Q 17025)(試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項の国際標準規格)
ISO/IEC 17025を基準にして、試験機関または校正機関が、特定分野の試験を行う能力を有することを認定する制度である。ISO9001では、組織がその品質システムについて認証されるのに対し、ISO17025では、ある試験所又は校正機関において、ISO9001相当の品質システムに加え、特定の試験方法について、個々にその技術的能力が国際的に評価され、認定される。そのため、認定された技能に基づいて得られたデータは、国際的にも通用するものである。
3)質量分析法 (Mass Spectrometry)
試料を加熱又はプラズマをあてること等で気体状のイオンに分解し、イオンの重さで振り分け、試料中の同位体比を測定する。当分析所では、熱によるイオン化法を用いた質量分析を行っている。
4)プルトニウム
プルトニウムの原子番号は94。ウランは天然に存在する元素だが、プルトニウムはウラン238(U238)に中性子を吸収させ、人工的に生まれた元素。
5)ウラン
ウランの原子番号は92。比重19.0の金属で、自然に存在する一番重い元素。同位体のうち、U235は核燃料物質として扱われる。半減期は、U235は7億年、U238は45億年と長く、地球創世紀から地球上に存在する。
6)同位体
原子核を構成する主なものに中性子と陽子がある。そのうち、ある元素について、中性子の数のみが違うものを同位体という。化学的性質はほとんど同一で、その質量が異なる。
7)同位体希釈質量分析法(Isotope Dilution Mass Spectrometry :IDMS)
分析対象試料に、その試料の同位体組成とは大きく異なる同位体組成を持った標準試料を一定量添加し、標準試料を添加する前と後の試料の同位体組成を質量分析計により測定し、その差から、試料中の元素量(濃度)を定量する。
8)ISO 9001(JIS Q 9001)(品質管理及び品質保証の規格)
企業の品質保証体制についての要求事項を規定した国際規格であるISO9000シリーズの規格の1つ。その中でISO9001は、下記の通り、要求事項の範囲がもっとも広く、20項目の要求事項が規定されており、ISO 9001の認証を取得するとは、その企業の「品質システム」が国際規格であるISO 9001規格の要求事項を満足したという証となる。
 ISO9001品質マネジメントシステム:設計、開発、製造、据付及び付帯サービスにおける品質保証モデル
 ISO9002品質マネジメントシステム:製造、据付及び付帯サービスにおける品質保証モデル
 ISO9003品質マネジメントシステム:最終検査・試験における品質保証モデル
9)MOX燃料(Mixed Oxide fuel)
原子力発電で使用されたウラン燃料から取り出した二酸化プルトニウムを、二酸化ウランと混ぜてつくった燃料。
10)計量管理
計量管理とは、ある施設において、現在どのような核物質がどれだけ存在しているか、また一定期間にどれだけの核物質の受入れ・払出しがあったかを管理し、核物質の在庫調査を行うもの。この在庫を確定するために行う分析を、計量管理分析と呼ぶ。
11)α線波高分析(Alpha Spectrometry)
試料から放出される放射線の一種であるα線のエネルギーを測定し、試料中のα線を放出する同位体の割合を測定する。
PuとUの混合物であるMOX試料中のPu、Uの同位体組成を質量分析装置により測定する場合、イオン交換によってPuとUを分離してから測定する必要がある。しかし、イオン交換で100%の分離を行うことは難しく、また質量分析法では、質量が同じであるPu238とU238を見分けることができない。そのため、Puから放出されるα線を測定することで(U238はα線を出さない)、Pu238の量を補正している。

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