図4.孤立した電荷の安定化

タンパク質内部は疎水的であり、孤立した電荷はエネルギー的に不安定なため、安定に存在できない。そのため、対イオンにより電気的に中性になっているのが一般的である。イェロープロテインではアルギニン52が対イオンであり、これがプロトン化し、発色団の負電荷を中和していると考えられていた(上)。ところが、R52は電気的に中性であり(プロトン化している水素原子はない)、発色団は低障壁水素結合を形成していた(下)。したがって、低障壁水素結合の高い結合エネルギーが、孤立した電荷の不安定化を補い、また低障壁水素結合により電荷が非局在化することで、タンパク質内部に孤立した負電荷を安定化していることが明らかになった。


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