用語説明

1.金属捕集布
金属に対して結合力の強い化学構造を持つ布。金属が溶け込んだ水の中に金属捕集布を漬けると、金属が結合する。化学構造の違いによって結合する金属の種類を変えられる。共同事業では、放射線グラフト重合(用語説明6)により、スカンジウムを捕集できる金属捕集布を開発した。
2.草津温泉
群馬県吾妻郡草津町(群馬県西部)にある温泉で、源泉全体の湧出量は、一分間あたり約3万6000リットルであり、自噴泉としては日本一を誇る。温泉水は、公共施設の暖房や融雪にも使用される。また、無料の共同浴場や日帰り入浴施設も日本一の数である。
3.希少金属
地球上の存在が稀であり、抽出が非常に困難な金属元素31種類の総称。電子部品や特殊金属の原料に使用され、日本はほとんどを輸入に頼っている。政府は価格の高騰に備え、ニッケル、クロム、バナジウムなど7種類については備蓄制度を設けている。
4.スカンジウム
原子番号の最も小さい希土類元素であり、アルミニウムに混ぜると耐熱性に優れ、軽量で、硬い材料となる。国内のスカンジウムは、有機化学合成の触媒、研究材料としてわずかに使われていたが、新素材としてメタルハライドランプでの利用が注目され、室内外の照明、プロジェクター用光源、自動車ランプに使われ需要の増加(年10%増)が著しい。最近では、燃料電池の固体電解質の材料として注目されている
5.不織布(ふしょくふ)
繊維を熱等の作用によって接着または絡み合わせる事で布状にしたもの。フェルト等。
6.放射線グラフト重合
ビニール袋などに使われているポリエチレンなどのプラスチック素材に放射線を照射した後、試薬と反応させて、接ぎ木のように分子の枝を導入し、プラスチックの特性を改良することができる原子力機構が開発した技術。不織布を素材として用い、金属に対して結合力の強い化学構造を導入することで、金属捕集布を作製することができる。(図1)
7.地域新生コンソーシアム研究開発事業
地域の産学官(企業、大学等)からなる共同研究体(コンソーシアム)を対象とした、地域の新産業・新事業の創出に資する実用化に向けた高度な研究開発を推進するための事業。

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