(補足資料)

核破砕中性子源(J-PARCの例)

中性子源全体は、直径10m、高さ9mの鉄鋼製容器(アウターライナー)に収納されています。そのほぼ中心に水銀ターゲットが設置されており、これに1MWの陽子ビームを打ち込み、水銀の原子核を核破砕反応でバラバラにして毎秒1017個の中性子を発生させます。

水銀ターゲットの上下には、約20K(-253℃)の極低温水素を循環させたモデレータと呼ばれる機器が設置され、このモデレータによりターゲットで発生した高エネルギー中性子(温度換算で数百億℃)を-250℃程度まで冷やします。

こうして実験に最適化された中性子は、中性子源から放射状に23本のビームラインへ取り出され、各ビームラインに設置された様々な実験装置へ供給されます。中性子ビームシャッターを上下駆動させることにより、実験者が中性子ビームの供給と停止を選択できます。

また、中性子源のその他の空間は、余分な中性子が外部へ到達するのを防ぐための遮蔽体で満たされています。


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