【補足説明資料】


1次冷却材流量低下試験の概要
 HTTRの炉心で発生した熱は、1次冷却設備を循環する冷却材であるヘリウムにより除去され、1次加圧水冷却器で2次冷却材である加圧水に熱が伝えられ、加圧水空気冷却において大気中に放散されます。1次加圧水冷却の周りには3台のヘリウム循環機が設置されており、冷却材を循環させています。1次冷却材流量低下試験では、3台のヘリウム循環機のうちの2台までを停止させて、冷却材流量を定格流量の3分の1まで低下させて実施しました(本試験では、中間熱交換器は運転していません。)(図1)。HTTRには冷却材の低下を検知して自動的に原子炉をスクラムさせる原子炉保護設備がありますが、この試験では、原子炉をスクラムさせないで試験を実施しました。原子炉出力30%(9MW)から100%(30MW)の範囲の4つの出力レベルに対して、1次ヘリウム循環機の停止台数が1台又は2台の試験を系統的に行いました。






 原子炉出力100%(30MW)の状態から、冷却材を循環させている3台の1次ヘリウム循環機のうちの2台を停止させることにより、炉心を冷やす能力が低下しますが、高温ガス炉の優れた安全性により出力が緩やかに低下し、安定な状態に落ち着きます。また、試験結果は事前解析結果とほぼ一致しています(図3)。






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