用語説明
 
1) δ18O(酸素同位体比)
 酸素には安定同位体16O、17O、18Oが存在する。それぞれの同位体は密度が異なるため、水が蒸発する際に分別され、温暖期と寒冷期では海水中の18Oの比率が変化する。このような性質を利用して、深海底の堆積物や南極やグリーンランドの氷床の試料から、過去の気温を復元することができる。
 
2) 花粉分析・モダンアナログ法
 花粉分析とは、植物の花粉を堆積物中から分離し、その種類を統計的に分析することにより、過去の環境(植生)を推定する方法である。花粉は風化にも非常に強く、古い時代の花粉でも堆積物中によく保存されている。モダンアナログ法は、花粉分析で用いる方法の一つで、現在の植生と気候との対応関係を基に、地層中に含まれる過去の花粉の種類とその構成比を統計的に処理し、過去の気候を解明する手法である。この手法を用いると、花粉分析の結果から、過去の気温や降水量を定量的に推定することが可能になる。
 

もどる