平成18年9月29日
独立行政法人
日本原子力研究開発機構
 
金属中不純物ガス測定用天秤の開発
−資源リサイクル時代の品質管理のために吸着・放出ガス量を測定−

 
 日本原子力研究開発機構(理事長 殿塚猷一、以下「原子力機構」という)は、中小企業が原子力機構保有の特許を利活用した製品化を支援する「成果展開事業」を実施しておりますが、平成18年度に採択された「真空天秤の開発」について、実施企業である日本金属化学株式会社(埼玉県ふじみ野市亀久保1651、代表取締役 大間知聡一郎)が、原子力機構との共同研究を通じて、資源リサイクル時代に避けて通れない不純物含有量評価などの材料の品質管理1)に大きな活躍が期待される真空熱天秤装置の製品化に成功しました。この装置は、例えば自動車部品に用いられる金属材料の吸着・放出ガス量を金属材料の重量変化として定量的に測定することができるなど、広く製造業においてトレーサビリティー(履歴管理)に基づいた製品の品質向上2)への活用が見込まれます。

 今後、日本金属化学株式会社において商品化のための外装の調整等が行なわれて今年度内に販売が開始される予定です。販売に先駆けて、同社への試料持ち込みによる依頼分析の受付も開始されます。

 真空熱天秤装置は、試料を真空中に置いたまま加熱できるために、試料が吸着あるいは放出するガス量を絶対重量の変化として非常に精密にかつ時間的に安定して測定できる性能を有しています。また、真空熱天秤装置を昨年開発した放出ガス測定装置グラビマスと組み合わせることによって、自動車用のアルミニウム鋳造部品等に吸蔵している多種の不純物ガスについて、種類毎に重量として評価できるようになります。両装置は金属材料ばかりでなく様々な素材の吸着・放出ガスを定量的に分析測定できる技術であることから、材料分野やものづくり技術分野などでの品質管理における標準化技術として利用されることが期待されます。


 ・補足説明
 ・解説
以 上

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