用語説明

ISTC
 国際科学技術センター(ISTC:International Science and Technology Center)は、(1) 旧ソ連邦諸国の大量破壊兵器等に関連のある科学者・技術者に対し、平和活動に従事する機会を与えること、(2) 旧ソ連邦諸国の市場経済への移行を助け、研究及び技術開発を支援することを目的とし、日、米、EU、露により1994年3月に設立された国際機関で、本部はモスクワにある。


ISTCレギュラープロジェクト、ISTCパートナープロジェクト
 ISTCレギュラープロジェクト及びパートナープロジェクトは、ISTCの下で行われる研究制度である。レギュラープロジェクトでは、ISTCの設立趣旨に則りISTC理事会及び出資国から承認されたプロジェクトが実施される。一方パートナープロジェクトでは、予めISTCに登録したパートナーは、ISTC及びCIS研究所の3者契約により、研究開発目的のパートナープロジェクト(PP)に拠出し、成果の専有実施権を得る。


CTD/MBS
 現場式水温塩分計測装置(CTD:Conductivity-Temperature-Depth meter)と多層採水器(MBS:Multi-Bottle Sampler)を組み合わせた海洋観測装置である。ウィンチとワイヤーを用いて船上から本装置を海中で降下あるいは上昇させることにより、海表面から所定深度までの水温及び塩分の鉛直分布を計測するとともに、事前に決定した各層から、種々の分析に用いる海水試料を採取することができる。


核実験フォールアウト
 核実験の際に大気中に放出された放射性物質が地上に降下してきたものである。大気中の放射性物質のあるものは短時間内に実験場周辺に降下し、あるものは成層圏にまで達し長い時間をかけて地表に降下する。前者は局地フォールアウトと呼ばれる。今日、環境中に存在する人工放射性核種の大半は、1950年代から60年代前半にかけて行われた大気圏内核実験によるものである。


係留系
 深海用フロート、切り離し装置及び重錘をロープで繋ぎ、一定期間(1年間程度)海中に設置する海洋観測設備である。この設備に流向流速計を組み込むことにより、特定の水深における海流の流向流速を直接計測することができる。またセジメント・トラップを組み込むことにより、特定の水深における沈降粒子試料を捕集することができる。


セジメント・トラップ
 海中に一定期間(1年間程度)係留し、沈降粒子試料を捕集する装置である。大きさ、形状等については様々な種類があり、定型はない。最近では、時間分画式と称し、下部に設置された粒子受器が回転して、ある一定短期間毎(例えば半月毎)の試料を得る形式のものがよく使われている。


AMS
 加速器質量分析装置(AMS:Accelerator Mass Spectrometer)は、イオン源、イオン入射部、タンデム型加速器部及び質量分析部から構成されている。この装置は、イオン源で試料を原子の負イオンの状態に変換し、それを高エネルギーに加速してエネルギー分析及び質量分析を行い、重イオン検出器などで目的とする原子イオンを計測し、同位体比を測定するものである。この装置は、少量の試料で極微量の同位体元素の検出及び同位体比(14C/12C、129I/127I等)を短時間で高精度に測定できる。


海洋環境評価システム
 海洋に放出される放射性核種等の汚染物質の移行・拡散、及び公衆への放射線影響を予測するための計算コードシステムであり、海水循環予測コード、物質移行予測コード、及び線量評価コード(放射性核種の場合に使用)から構成される。本システムは、緊急時における放射性核種等の移行挙動リアルタイム予測(短期評価)、及び平常時・事故時を想定した環境影響評価(短期・長期評価)に利用することを目標としており、日本海を対象海域として開発中である。


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