(別添)
カダラッシュのITER共同作業サイトに第1陣を派遣


 日本原子力研究開発機構は、ITER(国際熱核融合実験炉)計画(注1)について、本年1月から、フランスのカダラッシュに設置されたITER共同作業サイトに第1陣として2人の研究者(多田 栄介 核融合研究開発部門研究主席、長浜 哲志 核融合研究開発部門ITER協力調整グループ員)を派遣し、ITER建設地における技術的な準備活動の支援を開始しました。

 カダラッシュの共同作業サイトは、昨年6月にITER建設地がフランスのカダラッシュに決定されたことを受けて昨年12月に開設され、今年1月から活動が始まっています。本作業サイトにおいては、日本原子力研究開発機構が派遣した研究者が中心的な役割を果たして、ITER建設に向けて建家設計や安全評価等の技術的な準備活動を進めていきます。

 ITER計画では、ITER国際機構が設立されるまでの移行措置(ITA: ITER Transitional Arrangements)(注2)として、これまでドイツのガルヒンク及び日本原子力研究開発機構の那珂核融合研究所内にある国際共同作業サイトに参加各極の専門家が集まり、建設に向けた準備活動が行われてきました。今後は、ガルヒンク及び那珂にいる参加各極の専門家が順次カダラッシュ(右地図参照)に移り、カダラッシュの共同作業サイトが準備活動の中心拠点となります。


(注1)ITER計画
 核融合エネルギーの実現に向けた実験を行うため、国際熱核融合実験炉(ITER)を国際協力で建設する計画。1985年11月の米ソ首脳会談を発端に、1988年から2001年7月まで国際共同作業でITERの設計活動が実施された。その後、調整技術活動を経て、2003年1月からITER移行措置(ITA)活動が進められている。現在の参加極は、日本、EU、米国、ロシア、中国、韓国、インドの7極である(インドは2005年12月から参加)。

(注2)ITER移行措置(ITA)
 ITERの建設準備及びITER国際機構の設立準備のための活動で、これまでは日本(日本原子力研究開発機構那珂核融合研究所内)及びドイツ(ガルヒンク)で、作業が進められてきた。今後は、ITER建設地であるフランスのカダラッシュの共同作業サイトが活動の中心拠点になる。原子力機構からは本年1月に2人を派遣したところであり、来年度には10人以上を派遣する予定。また、昨年11月にITER国際機構の機構長予定者に選ばれた池田要氏がITER建設準備及びITER国際機構設立準備を進めるため、カダラッシュにおいて今年3月からITAの指揮をとる予定。
 

以  上

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