国立研究開発法人日本原子力研究開発機構：JAEAメールマガジン　No.370

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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2015.04.24／No.370━━━

＊今週のPick Up＊

〔トピックス〕・・・J-PARCハドロン実験施設の利用運転を再開いたしました

平成27年度科学技術分野の文部科学大臣表彰を受賞しました

廃炉国際共同研究センターの開所式を行いました

＝　お知らせ　＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝

4月24日（金）　ハドロン実験施設の利用運転を再開いたしました。

J-PARCは、4月24日（金）にハドロン実験施設の利用運転を再開いたしました。

平成25年5月23日(木)に発生したJ-PARCハドロン実験施設における放射性物質漏えい
事故以降2年間をかけて、施設や機器の改修などハード面での安全対策と、安全管理組織
の強化や教育の徹底など、全構成員・全利用者が一丸となって安全文化の醸成に努めてま
いりました。

　利用運転の再開に先立ち、4月上旬には住民説明会を開催しました。安全対策を完了した
ハドロン実験施設について、4月9日(木)から性能確認試験を開始し、4月17日（金）に放射
線障害防止法に基づく施設検査を受け、4月20日（月）付で合格証を受領しました。ビームの
性能を充分確認し、施設検査にも合格したことから、ハドロン実験施設について、利用運転を
再開することといたしました。

　4月24日(金)の運転再開当日は、多くの報道陣が見守る中、齊藤直人センター長の「ハド
ロン実験施設の利用運転を再開します」の宣言の後に、加速器から取り出したビームの標的
への照射を始めました。ビームの性能を改めて確認する中、ハドロン施設の制御室に集まっ
たJ-PARC関係者は、運転状況を示すモニターを2年間の思いを噛みしめる様に見つめて
いました。そして午前11時3分、無事に運転再開を示す表示が出た時には、安堵の表情を
浮かべていました。運転再開を受け、齊藤センター長は「安全意識を強く持ち、科学技術の
発展に貢献したい」と語りました。

　ハドロン実験施設の運転再開後は、K中間子の稀な崩壊パターンを測定する「E１４ KOTO
実験」や、特殊な原子核や束縛状態を作成しその性質を測定する「E13実験」や「E15実験」
など、様々な実験が予定されています。これらの実験により、小林・益川両氏がノーベル物理
学賞を受賞された研究である「CP対称性の破れ」の起源の解明や、原子核の中で働く力の
謎の解明など、物質の起源に迫る研究成果が期待されます。