公 開 番 号

2019−02

関連公開番号

 

件     名

スラッジ貯蔵場スラッジ貯槽の据付ボルトの浮き上がり

公  開  日

2019312日(平成31年)

不適合の発生日

20121023日(平成24年)

発 生 拠 点 名

核燃料サイクル工学研究所

発生施設・設備名等

再処理技術開発センター スラッジ貯蔵場

不適合の内容

平成241023日(火)1130分頃、東日本大震災による設備健全性に係る点検時に、スラッジ貯蔵場 スラッジ貯蔵セルに設置しているスラッジ貯槽(332V11,V10:各1000m3)の332V11の全ての据付ボルト(計16本、M30、材質SS41)が、ベースプレートから浮き上がっていることを確認しました(図-1,2)

 

なお、スラッジ貯槽(332V11)の外観及び隣接する332V10には異常はなく、廃液の漏えいもありませんでした。

 

原因の調査・特定

スラッジ貯槽据付ボルトの浮き上がりの原因を特定するため、以下の調査を行いました。

@  スラッジ貯槽建設当時の設計計算書及び施工要領書などの確認。

A  据付ボルト箱抜き部(332V11:2本、V10:2)の掘削による確認。

(箱抜き部:据付ボルトが埋設されている箇所(図-3)

B  コンクリート及び据付ボルトの状態確認及び東日本大震災時の地震により据付ボルトに作用した荷重の評価。

 

上記調査結果から、以下の内容が確認されました。

@ 当時の施工管理に関する記録では、箱抜き部の施工方法の確認や検査方法について明確に示した図書等は確認できなかった。

A 332V11の箱抜き部はコンクリート層(上部)と砂地層(下部)2層となっており、据付ボルト下部は砂地層に埋め込まれていた。 (図-3)

また、332V10についても箱抜き部はコンクリート層(上部)と砂地層(下部)2層となっていましたが、据付ボルトの浮き上がりはありませんでした。

B 東日本大震災時の地震により332V11の据付ボルトに作用した荷重を評価した結果、据付ボルト全体がコンクリート層で固定されていれば据付ボルトの浮上りは、発生していなかったこと。

 

以上の調査結果から、据え付けボルトの浮き上がりの原因は、箱抜き部を全てコンクリートで充填すべきところに砂を混入させた施工不良によるものと判断しました。

 

是正処置の必要性の評価

(システムへの影響)

低放射性物質を貯蔵する貯槽の健全性を確保するため、是正処置を行う必要があると判断しました。

 

是正処置(計画)の内容

 

是正処置として以下に示す二つの事項を実施しました。なお、本工事の実施から今日まで浮き上がりの事象は生じていませんが、今後も定期点検で確認を継続していきます。

 

(1) スラッジ貯槽の332V11及び332V10については、既設据付ボルトを撤去し、引き抜きに対する抗力を増加させた新規の据え付けボルトを設置し据え付け端部に至るまでコンクリートで埋設・固定しました。

(2) 工事の施行のあり方については、「製作及び施工管理規則」に、製作及び施工段階で確認する要求仕様に示す作業要領書、作業計画書の作成内容を定めており、ここに「完成後では確認できない検査等にあっては、受注者との双方で確実に確認する」ことなどを明記しました。

 

備   考

 

(安全・核セキュリティ統括部品質保証課「不適合の情報公開管理要領」に基づく様式)