公 開 番 号

2015−01

関連公開番号

 

件     名

再処理施設主排気筒ダクトの貫通孔の確認

公  開  日

2015年  126日(平成27年)

不適合の発生日

2011年 11月 2日(平成23年)

発 生 拠 点 名

核燃料サイクル工学研究所

発生施設・設備名等

再処理施設 主排気筒

不適合の内容

 平成231028日(金)1625分頃、再処理施設主排気筒ダクトの支持架構の耐震性向上工事において、主排気筒ダクトの塗装前の点検を行ったところ、当該ダクト下部に貫通孔(楕円形、長径約20o、短径約10o)を確認しました。(−1

 なお、主排気筒の排気モニタ及びモニタリングポストの値に変動はなく、貫通孔周辺に汚染がないことを確認しました。

原因の調査・特定

原因を調査した結果、主排気筒ダクトに貫通孔が生じた原因は、外面の塗装の剥れ及び白亜化が起因となり、この部分に雨水、空気等が浸入及び浸透拡散したことで腐食が発生したことによるものと推定しました。

また、この原因を引き起こした背後要因は、主排気筒ダクトの下面、上面及び北側面の点検方法を確認した結果、地上及び隣接施設屋上から双眼鏡を用いた目視点検で行っており、主排気筒ダクトに接近した点検を行っていなかったこと、局部的に腐食した部分のダクト肉厚の減少傾向を確認しなかったことによるものと判断しました。

是正処置の必要性の評価

(システムへの影響)

主排気筒ダクトに腐食による貫通孔が生じ、経路外放出が発生したことから、再発を防止するための是正処置を行うこととしました。

是正処置(計画)の内容

 

是正処置として、主排気筒ダクトの補修及び点検方法や補修箇所の管理に関し、以下のことを実施しました。また、根本原因分析結果を踏まえ、品質マネジメントシステムに係る対策についても合わせて実施しました。なお、是正処置に伴って、主排気筒以外の屋外排気ダクトについて塗装の剥がれ及び腐食の発生の有無の点検を行いましたが、その事象は認められませんでした。

 

1.是正処置について

(1) 主排気筒ダクトの補修

「再処理施設の設計及び工事の方法の技術基準に関する規則」を満足するよう以下の補修を実施する。

 @ 今回の主排気筒ダクトの補修については、貫通孔の補修に加え、経年変化が進んでいる溶接部の補強が同時に行える炭素繊維シートを接着樹脂で含浸接着する工法により実施する。(−2

A 広範囲に塗装の白亜化が確認されたことから、より耐久性のある塗料を用いて全面塗装を行う。

B 雨水等が滞留しやすい部位はシール材を充填する。

(2) 主排気筒ダクトの点検方法の強化

 @ 主排気筒ダクトの点検方法は、足場等を設置し、ダクト外面に接近して、塗装及び腐食の状態を確認する。

A 塗装の点検は、塗装の白亜化の程度の確認等を行い、塗装の剥れた部分を確認した場合、その部分の母材の状態を確認する。

B 腐食の点検は、腐食を確認した場合、肉厚測定等によるダクト肉厚の減少を確認する。

C 分離精製工場と高放射性廃液貯蔵場の屋外排気ダクト外面の外観目視点検を「日常巡視点検要領」に追加し、有害な変形、損傷、腐食等がないことを日常巡視点検で確認する。

(3) 主排気筒ダクトの補修箇所の管理の追加

   炭素繊維シートによる補修箇所の点検方法、点検により剥れ、浮き、割れが確認された場合の補修方法を定める。

 

2.品質マネジメントシステムに係る対策について

(1) 文書管理について

点検要領等の作成及び改訂に当たっては、文書管理規則等に必要な要求事項を明確にし、その確認と審査の手順を示すこと及び要求事項が満たされていることの検証方法を定める。

(2) 設備管理について

@ 排気ダクト等の静的機器類の腐食状況の確認等の点検方法を具体化するとともに、点検結果に基づき母材への影響評価等を行い、補修等の要否を判断して保全計画を作成することを「構築物の点検要領」「屋外排気ダクト等の点検管理要領」に定める。

A 保全(工事を含む)の計画を変更する場合は、設備、装置の安全性等に与える影響を検討することを「運転及び保守管理規則」に定める。

(3) 工程管理について

保安上特に重要な設備、装置の保全(工事を含む)を他部署に保全を依頼した場合は、他部署からの情報を基に保全計画を作成し、また、見直しを行い、上記の保全が計画に従い実施されていることを確認することを「運転及び保守管理規則」に定める。

 

備   考

添付資料-1:再処理施設主排気筒ダクトの貫通孔の確認について(概要)(平成2442日)

添付資料-2

別 紙

 
再処理施設の主排気筒ダクトにおいて貫通孔が確認された事象についての根本原因分析結果の改訂に伴う報告について(概要)(平成241026日)