公 開 番 号 2009-01
 件     名 屋外排気ダクトの腐食孔の確認について
 公  開  日 2009.08.05(平成21年)
 不適合の発生日 2008.09.09(平成20年)
 発 生 拠 点 名 敦賀本部 高速増殖炉研究開発センター
 発生施設・設備名等 高速増殖原型炉もんじゅ
 原子炉補助建物
 アニュラス循環排気装置主配管(ダクト)のうち屋上部(非管理区域)
  (添付資料―1)
 不 適 合 内 容 平成20年9月9日、原子炉補助建物の屋上に設置している排気ダクトの計画的な補修塗装のため、屋外排気ダクトのケレン作業(塗装の接合性を良くするための錆や塗装落とし)を行い、錆を除去した箇所の下地塗装を行っていたところ、屋外排気ダクトに腐食孔(縦約1cm、横約2p)があることを確認しました。
 応急処置として、アルミ材の補修テープにより腐食孔を塞ぎました。また、原因調査のため、腐食孔部を切り出し、当該部に鋼板による当て板をし、ベロメタル(冷間溶接材)で固定いたしました。  (添付資料―2)
 なお、本事象による周辺環境への影響はありません。
 原 因 の 調 査 原因調査として、設備面では材料、環境条件、構造、塗装等について、また、保守管理面からも調査を行いました。
【主要な原因】
 主要な原因は、以下の通りです。
○屋外排気ダクトの腐食孔の周辺は、塩害腐食の発生しやすい環境に加え、
 構造上雨水が停滞しやすく、日陰にあるため、他の部位と比較して、極
 てめ長時間湿潤雰囲気にさらされる環境となり、腐食が進行したもので
 ある。
○安全上重要な設備である屋外排気ダクトの保全に関する外観点検、肉厚
 測定等を定期的に計画しなかった。
○平成19年度に実施した屋外排気ダクトの肉厚測定の作業計画が適切でな
 かった。
○安全パトロールにより屋外排気ダクトの錆を外観から確認していたが、
 補修等の対策を講じなかった。  
 是正処置の必要性
  の評価
 再発防止のため設備、保守管理の対策が必要であり是正処置を行うこととしました。また、保守管理に係る共通の背後要因があるとの認識にたち、根本原因分析を踏まえた対策も必要と判断し、是正処置に加えることとしました。
 是 正 処 置
 (再発防止対策)
 再発防止に関して主な対策を以下のとおり策定しました。
1.設備上の対策
 (1) 恒久対策
    40%出力プラント確認試験前までに、当該ダクトの全体取替えを実施
  する。あわせて、ダクトと補強材等の接合面への雨水の浸入防止、雨水
  が溜まらないなどの構造上の対策を実施する。
 (2) 短期対策
   当該ダクトは、安全上重要な設備であるため、早期復旧が重要と判断
  し、当面の措置として、当該腐食孔部や減肉が確認された所について、
  当該ダクトの裏側から当て板で補修する短期的な対策を行った。あわせ
  て支持架構や補強材のすき間への雨水浸入対策を行った。

2.保安管理上の対策
 ○1年毎の外観点検を行い、必要に応じて補修等を実施する。
 ○肉厚測定の方法について、作業計画の段階で内容を具体化できるように
  マニュアルを整備した。
 ○巡視点検の強化及び手順書の見直しを行い、適切に補修等がなされるよ
  う措置する。

3.根本原因分析を踏まえた対策
  今回の屋外排気ダクトの腐食孔の発生については、もんじゅの保守管理
 に係る共通の背後要因があるとの認識に立ち、根本原因分析を実施してい
 ます。根本原因分析では、「なぜ、腐食孔が発生するまで保守管理がなさ
 れていなかったか」の観点から背景にある組織・体制上の要因や安全文化
 に関する要因の抽出と対策の検討を行いました。得られた教訓については
 「もんじゅ」の改善のための行動計画に反映し、改善に取り組んでいま
 す。対策の例を下記に示します。
 ○予防保全を基本として、腐食等ゆっくり進む劣化に対する考え方を保全
  プログラムに導入する等の保守管理の充実
 ○各個人の役割を認識する等のマイプラント意識の醸成
 ○経営層、所幹部との意見交換等の組織内コミュニケーションによる安全
  文化の醸成
 備    考 関連資料:高速増殖原型炉もんじゅ
       屋外排気ダクトの腐食孔の原因と対策について

    

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