━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2009.8.31 ━━━━━━━━

■■■□□□ JAEAメールマガジン
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++---- No.92 目次 ----++

現場から ____ 情報セキュリティの確保に向けて−システム計算科学センター

海外事務所便り_ 仏ASN、原子力安全に関する1年間の動向をまとめた年報を公表−パリ事務所

広報紙から___ 水平坑道の掘削影響領域を力学試験で把握−JAEAニュース

プレス発表、お知らせ、採用情報、調達情報

あとがき

━ 現場から ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

情報セキュリティの確保に向けて−システム計算科学センター

私たち情報システム管理室では原子力機構のITインフラ(ネットワーク、スーパコンピュータ等)の整備、運用を担っています。業務の電子化や電子メールの活用の急速な進展にともない、ITインフラの障害が業務に大きな支障を引き起こす状況になっています。ちょっとした機器の故障や設定のミスによって、ネットワークが不通になることもあるため、私たちは日々「一つのミスも許されない」という緊張の中で仕事をしています。

特に私たちが神経を尖らせているのが情報セキュリティに係る障害についてです。新聞を開けば、「コンピュータウイルスによる個人情報の流出」、「新型コンピュータウイルスの被害拡大」といった情報セキュリティに係る事件がしばしば目に入り、その都度、原子力機構において同じようなことは発生しないか、この手口に対しての情報セキュリティ対策は十分かといったことが頭をかけめぐります。

これまでにも、サイバーテロの標的になることも想定し、経営の最重要課題の一つとして組織をあげて情報セキュリティ対策に取り組んできました。私たちの原子力施設が万が一にも外部から不正アクセスされることがないようインターネットとは完全に切り離すなどの万全の対策を図ってきました。また、一般の業務に使用するパソコンやネットワークについても、システム、規則、教育の三位一体で対策をとっています。

ますます巧妙かつ悪質化するコンピュータウイルスや不正アクセスに対応するため、情報セキュリティ対策の内容については常に見直し、対策の強化に努めています。その中で、私たちが一番苦労してきたことは、職員1人1人に情報セキュリティ対策の重要性を理解してもらうことです。情報セキュリティ対策は、手続きや制約を伴うことが多く、個々人にとって心地よいものではないことが多いため、当初は「こんなんでは仕事にならない」、「これで業務が遅れたら責任をとってくれるのか」と言われることもありました。その都度、情報セキュリティの重要性を説明するとともに、毎年全職員を対象に情報セキュリティ教育を実施することなどにより、最近では理解が浸透しつつあるという手ごたえを感じています。

(システム計算科学センター情報システム管理室 久米悦雄)

━ 海外事務所便り ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

*当機構の海外事務所から寄せられたニュースを紹介します。

仏ASN、原子力安全に関する1年間の動向をまとめた年報を公表

仏原子力安全局(ASN)は4月8日、「2008年のフランスにおける原子力安全と放射線防護の現状に関する報告書(2008年報)」を議会科学技術選択評価局(OPECST)に提出しました。この年報は、「原子力に関する情報の透明性と安全防護に関する法律(原子力安全・情報開示法)」に基づいてまとめられたもので、その内容のトピックスについて紹介します。

(なお、年報(仏文、英文)は、ASNのHP(http://www.asn.fr)で確認できます)

仏原子力安全局(ASN)は4月8日、「2008年のフランスにおける原子力安全と放射線防護の現状に関する報告書(2008年報)」を議会科学技術選択評価局(OPECST)に提出しました。この年報は、「原子力に関する情報の透明性と安全防護に関する法律(原子力安全・情報開示法)」に基づいてまとめられたもので、535ページもあります。その内容のトピックスについて紹介します。

ASNは原子力基本施設を対象に、昨年1年間で796回の査察を実施しました。そのうち188回が抜き打ち査察となっています。

仏国内初の欧州加圧水型原子炉(EPR)の建屋建設工事に関連しては、計13回の査察を実施。原子炉建屋の基底部分における鉄筋の位置取りやコンクリートの打設作業段階で、図面との齟齬を複数確認しました。ASNはこのような齟齬が繰り返し発生していることについて、強度不足などの安全上の影響がないとしても、建設工事における工事請負業者に対する監督が適正に行われていないと判断。仏電力(EDF)に対して5月26日、コンクリート打設作業の中断を命じました。これに対しEDFからは、下請け事業者等に対する監視を厳格化するなどの措置を盛り込んだ行動改善計画が提出され、6月19日に工事再開が許可されるまで、23日間にわたり工事が中断されました。

またAREVAの子会社であるSOCATRI社がトリカスタン原子力サイトで操業する廃液処理プラントで7月7日から8日にかけて、天然ウランを含む廃液が漏出し、雨水の排水溝に流入するという事象がありました。これに対しASNは7月10日に現地で立ち入り検査を行い、SOCATRI社に対して、汚染土壌の回収、廃液が流入した排水溝の洗浄及び環境の監視を命令。当該サイトがあるドローム県及びヴォークリューズ県に対しては、灌漑や飲用での河川水の利用を禁止する等の予防措置を講じるよう勧告しました。さらにASNは、放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)の協力を得て、地表水や自由地下水、堆積物に関するデータを分析。調査の結果、漏出事象による地域住民やプラント従業員への健康影響はないことを公表しました。

(パリ事務所)

━ 広報紙から ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

*当機構が社外向けに発行している広報紙などからトピックスを紹介します。

水平坑道の掘削影響領域を力学試験で把握−JAEAニュース31号(09年7月)

幌延深地層研究センターでは、高レベル放射性廃棄物の地層処分を円滑かつ安全に進めるために、地下研究施設を利用した堆積岩中の地質環境の調査を行っています。今回は、地下坑道を掘削した際の、近傍の岩盤の力学特性の変化を把握する試験について紹介します。

(Q)水平坑道の掘削影響領域において実施する力学試験について教えてください。

(A)高レベル放射性廃棄物を地層処分する際には、地下深部まで廃棄物を輸送して処分する坑道が掘削されます。このとき、坑道の周囲には様々な変化が起こることが予想されます。この周囲の変化が放射性廃棄物を防護する天然バリアの変化に繋がります。従って、その変化のスピードや変化の及ぶ領域の把握が重要な研究テーマとなっています。

(続きはhttp://www.jaea.go.jp/05/jaea_news31.pdfをご覧下さい)

━ プレス発表 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━ お知らせ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━ 採用情報 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

安全研究センターでは、任期付研究員を募集しています。(書類提出締切:9月18日)

博士研究員を募集しています。(同9月25日)

東海研究開発センターでは、 技術系職員(キャリア採用)を募集しています。(同9月14日)

量子ビーム応用研究部門では、特定課題推進員を募集しています。(同9月16日)

*上記の詳細はhttp://www.jaea.go.jp/saiyou/index.htmlをご覧下さい。

━ 調達情報 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

一般競争(指名競争)参加資格の定期審査は、随時受け付けています。
 http://www.jaea.go.jp/02/format/index.html

━ あとがき ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

子供たちの長かった夏休みも残りわずかとなりました。新学期に友達と会えるのを待ち遠しく思っている子も、残った宿題に必死に取り組んでいる子も、海水浴、キャンプ、ハイキング、虫取り、花火等々、夏休みにはこの時期だからこそできる活動を楽しんだことと思います。

今年の夏休みは、これらに加えて日食観察を体験した子供も多かったのではないでしょうか。いろいろな分野の専門家も、少年・少女時代のある経験からその道に引き込まれ、気がついたらその分野の第一人者になっていたということも多いことから、今回の日食観察がきっかけで天文学の世界に進む子供も出てくるはずです。

私も、わが子が好きなものに出会えることを願い、この夏は、海に山に、映画館に博物館、スポーツ活動、文化活動と子供の体験の機会をたくさん作りました。しかし、家内の評価は、「子供の興味は二の次で、自分のやりたいことに子供を引っ張りまわして自分だけが楽しんでいる」と厳しいものです。

そうした声にもめげず、すでに来年の夏の体験計画を練っています。(広報部 西川信一)

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【配信希望、アドレス変更、配信停止】http://www.jaea.go.jp/14/14_0.html

【ご感想やご要望】http://www.jaea.go.jp/13/13_1form.shtml

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【発行】独立行政法人 日本原子力研究開発機構 広報部  佐田務、上野信行 JAEAロゴ ○

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