━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2010.11.12 ━━━━━━━━

■■■□□□ JAEAメールマガジン
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++---- No.152 目次 ----++

現場から ____ 緊急時対応支援設備の開発・整備(安全統括部)

海外事務所便り _ ドイツ連邦議会が原子力発電所の運転期間延長を決定 ほか

プレス発表、お知らせ、採用情報、調達情報

あとがき

━ 現場から ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

緊急時対応支援設備の開発・整備−安全統括部

安全統括部保安管理課が実施している「緊急時対応支援設備」の開発・整備について紹介します。

「緊急時対応支援設備」は、原子力機構における事故・トラブル対応を迅速かつ的確に行うため、本部・全拠点を対象に整備を進めています。これまでに整備した「緊急時対応支援設備」は、安全統括部が自主開発し特許を取得した新TV会議システムを始めとして、職員の緊急時招集システム(エマージェンシーコールシステム)、音声会議システム及び緊急地震速報システム等があります。

新TV会議システムは、機構内ネットワーク網を利用し、混雑している回線を自動的に迂回する機能を有しているため、従来のシステムに比べ通信安定度の向上が図られました。さらに、設置が容易で通信費用が掛からないという大きなメリットがあります。このため、全拠点の現地対策本部及び現場指揮所等に設置し、事故・トラブル時の情報共有に有効活用しています。近年は、一般会議にも利用範囲が広がり、現在では108ヶ所に設置し運用を行っています。

また、停電や機構ネットワーク網が停止し、新TV会議システムが利用できない場合に備え、災害時優先の携帯電話回線を利用した音声会議システムの整備を行い、今年度から運用を開始しました。

夜間・休日に事故・トラブルが発生した場合、事故・トラブル対応要員を迅速に招集する必要があります。このため、緊急時招集システム(エマージェンシーコールシステム)の開発を行いました。本システムは、大規模災害が発生し固定電話回線が断線した場合でも、災害時優先の携帯電話から遠隔地(大洗又は敦賀)に設置したシステムサーバーに通信し、自動的に対応要員の招集及び出動の可否を確認するものです。これにより安定した招集機能を確保するとともに、市販の緊急時招集システムより安価に整備することが可能になりました。

安全統括部では、現在も緊急時対応に役立つ各種システムの開発を進めています。今年度内には、各現場指揮所、現地対策本部及び機構対策本部の間で、FAX情報や写真情報等を同時に閲覧、一斉配付を可能とする「Power Presenter機能」を整備していく予定です。また、新TV会議システムに用いている機構内ネットワーク網の通信状況をリアルタイムに把握できる「Power Track back 機能」等の開発も行っています。

今後も、安全統括部では事故・トラブル発生時に、より迅速かつ的確な緊急時対応を図ることを目指し、危機管理対応支援設備の開発・整備を進めて行きます。

(保安管理課 山本雄三)

━ 海外事務所便り ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

*当機構の海外事務所から寄せられたニュースを紹介します。

☆ ワシントン事務所
<GE日立、サバンナリバーサイトでのプリズム原型炉建設に関する覚書を締結>
 GE日立は10月27日、サバンナリバーサイトの運営をDOEから委託されているサバンナリバー ニュークリア ソリューションズと同サイトでのプリズム炉(小型ナトリウム冷却高速炉)の原型炉建設に関する覚書を締結したと発表しました。

<米国原子力規制委員会(NRC)がESBWRの安全評価報告書を承認>
 GE日立は10月26日、NRCスタッフがとりまとめた高経済性・単純化沸騰水型原子炉(Economic Simplified Boiling Water Reactor)設計認証申請に対する安全評価報告書を、NRCの原子炉安全諮問委員会(ACRS)が承認したと発表しました。

☆ウィーン事務所
<ドイツ連邦議会が原子力発電所の運転期間延長を決定>
 ドイツ連邦議会は10月28日、17基の原子力発電所の運転期間延長を賛成多数により決定しました。運転期間は平均で12年の延長となります。

☆パリ事務所
<英国地質調査所が西カンブリア地域の地質調査報告書を公表>
 英国地質調査所(BGS)は、西カンブリアのコープランド(Copeland)とアラデール(Allerdale)の市域と沖合5km内で、地質学的に高レベル放射性廃棄物の地層処分に適さない地域を判断するための初期スクリーニング(机上調査)を行い、10月28日にその報告書を公表しました。  http://mrws.decc.gov.uk/en/mrws/cms/Disposal/Site_selection/Initial_screen/west_cumbria/west_cumbria.aspx

<ベルギー原子力研究センターがカザフスタンと原子力平和利用研究などの協力で合意>
 ベルギー原子力研究センター(SCK・CEN)は10月25日、カザフスタン原子力研究センター、国営原子力企業のカザトムプロム社と、原子力平和利用研究などの協力に関する覚書に調印しました。

━ プレス発表 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━ お知らせ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━ 採用情報 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

*上記の詳細は http://www.jaea.go.jp/saiyou/index.html をご覧下さい。

━ 調達情報 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━ あとがき ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「留守と言え ここには誰も居らぬと言え 五億年経ったら帰って来る」 (高橋新吉『るす』)

明治生まれの詩人、高橋新吉が僧堂生活を始めたのは27歳の時でした。新吉はその後、強い精神の病と闘いながら禅の修行を積み、40歳の時に禅で言う見性(けんしょう=悟りのこと)に達します。そのせいでしょうか、彼の作品には時空を超えたものを感じさせるものが多いようです。

「宇宙が少しずつ動いている 雀は少しばかり宇宙を動かす立場にいる」(同『雀の立場』)

秋の夜長。禅の境地とはほど遠い私も、郊外で満天の星と乳を流したような天の川を見ていると、新吉の詩が少しわかるような気がします。自分が少し、雀になったような気がします。いい詩は私たちを、つかの間の哲学者に仕立てあげてくれます。(佐)

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【発行】独立行政法人 日本原子力研究開発機構 広報部  佐田務、上野信行  ○

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