━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2010.7.16 ━━━━━━━━

■■■□□□ JAEAメールマガジン
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++---- No.135 目次 ----++

現場から ____ 巨大ドラムに超伝導導体を巻き取って、いざコイルの製作へ(核融合研究開発部門)

広報紙から ___ 高速増殖原型炉もんじゅが、性能試験を再開(JAEAニュース第38号)

プレス発表、お知らせ、採用情報、調達情報

あとがき

━ 現場から ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

600mにも達する真っ直ぐなレールを使って造った超伝導導体を巨大ドラムに巻き取って、いざコイルの製作へ−核融合研究開発部門

那珂核融合研究所には、なんと600メートルに達するひたすら真っ直ぐなレールがあります!いったい何に使われるのでしょうか?

これまで数々の成果を上げてきた臨界プラズマ試験装置(JT-60)は約24年にわたる実験運転を一昨年夏に終えました。現在、私たちは平成28年の実験運転開始を目指し先進的な超伝導トカマク装置(JT-60SA)へと改修する作業を進めています。この長い真っ直ぐなレールは、JT-60SAのための超伝導導体を造る設備なのです。JT-60SAは、イーター計画の幅広いアプローチ活動として日本と欧州が共同で実施するサテライト・トカマク計画と、わが国の国内計画の合同プロジェクトであり、イーター運転シナリオの最適化などのイーターを支援する研究、及び将来の核融合原型炉に向けてイーターを補完する研究を行う予定です。

日本が製作を分担する代表的な機器の一つが超伝導ポロイダル磁場コイルです。このコイルは、

(1)ニオブチタンやニオブ3スズからなる超伝導撚線の製作、

(2)超伝導撚線を納めるステンレス製ジャケット(鞘管)の製作、

(3)超伝導導体(撚線とジャケットを複合化)の製作、

(4)コイルの製作(導体を巻く)

の4つの段階を経て完成します。超伝導撚線は、直径1ミリメートル程度の超伝導素線216本から450本を低温ヘリウムの流れるステンレス製のスパイラル管を中心に撚ってケーブル状にしたものです。次のジャケット製作や超伝導導体製作では、超伝導撚線をジャケットの中に引き込む必要があるため、600メートルにも達する真っ直ぐな長いレールを持つ設備が必要なのです。製作メーカーの工場内にはこのような長距離の施設を作ることができないため、那珂核融合研究所の敷地内に専用の施設を建設しました。この真っ直ぐな約600メートルのレール、見学にいらした方々は、向こうにある(はず?の)端をしばし見つめ、はるか彼方まで続くレールに驚きを感じられるようです。この長い施設を駆使し、ステンレス製の短い円形ジャケットを溶接して繋ぎ、最長で585メートルにもなる長い真っ直ぐなジャケットを製作します。この際、溶接箇所に不良があっては困りますので、X線を使った検査、さらには出来上がった管にヘリウムを詰めてリーク箇所がないか徹底的に調べます。その次の超伝導導体製作では、この長い円形ジャケットの中に超伝導撚線を引き込み、その後コイルに成形し易いよう四方から圧力をかけて外形を四角にします。この時、引き込むスピードが早過ぎると超伝導撚線が切れますので、細心の注意を払いながらゆっくりと引き込みます。完成した超伝導導体は直径3メートルの大きなドラムに巻き取り、さまざまな検査をまた徹底的に行います。これまでに450メートルの超伝導導体が9体完成し、いよいよコイル製作を開始します。核融合プラズマの性能を決めると言っても過言ではない精密な超伝導導体とコイルの製作、最先端の製作技術と職人技的な経験が融合するまさに現代の巧みの技と言えます。

核融合研究開発については、こちらをご覧ください。 http://www.naka.jaea.go.jp/

(核融合研究開発部門 JT-60計画調整グループ 東島 智)

━ 広報紙から ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

*当機構が社外向けに発行している広報紙などからトピックスを紹介します。

━ プレス発表 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━ お知らせ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━ 採用情報 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

*上記の詳細は http://www.jaea.go.jp/saiyou/index.html をご覧下さい。

━ 調達情報 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━ あとがき ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

4年に一度の祭典ワールドカップはスペインの初優勝で幕を閉じましたが、気がつくと日本では、高校野球の地区予選が始まっています。

高校野球といえば印象に残っている漫画がたくさんありますが、私の世代はやはり「ドカベン」の力強さと「タッチ」の軽妙さでしょうか。また、最近では、どこまでも夢を追い続ける「MAJOR」がお勧めです。

現在、若者の一番人気は「ダイヤのA」だそうです。等身大の球児を描いており共感が持てるとのことですので、ぜひ読んでみたいと思います。

野球漫画を読むだけで楽しいのですが、今年は久しぶりに球場に足を運び、熱さと、応援風景と、土の香りを堪能したいと考えています。(情報公開課 羽石明博)

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【ご感想やご要望】http://www.jaea.go.jp/13/13_1form.shtml

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【発行】独立行政法人 日本原子力研究開発機構 広報部  佐田務、上野信行  ○

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