平成22年7月14日
独立行政法人 日本原子力研究開発機構

サテライト・トカマク装置の建設に向けて欧州が本格始動(お知らせ)
−幅広いアプローチ活動のもとで欧州が調達する最大の機器製作に関する取決めに署名−

独立行政法人 日本原子力研究開発機構(理事長 岡ア俊雄、以下「原子力機構」1)という)は、幅広いアプローチ(BA)活動2)の欧州側実施機関である「ITER及び核融合エネルギー研究のための欧州共同事業体」(以下「欧州」という)と、BA活動の一環であるサテライト・トカマク装置(JT-60SA)3)のための超伝導コイル4)製作における技術的仕様と調達スケジュールについて正式に合意し、平成22年7月12日に調達取決め5)に署名しました。

JT-60SAは、真空容器、超伝導コイル、電源及び加熱装置等の建設に必要な機器をBA活動のもとで日欧分担により製作する計画になっております。今回調達する機器は、JT‐60SAにおいて重要な機器のひとつであり、なおかつ製作に高度な技術を要する超伝導コイルの一部であるトロイダル磁場コイル18個です。欧州はこれらを約5年程度で製作し、原子力機構の那珂核融合研究所(茨城県那珂市)に搬入します。

那珂核融合研究所に建設するJT-60SAは、平成20年に実験運転を完遂した臨界プラズマ試験装置JT-60を超伝導化改修して建設する核融合研究のための実験装置です。完成後は、本装置を用いて現在欧州に建設中の国際熱核融合実験炉(ITER)6)を支援するとともに、実験炉の次段階である原型炉のための研究を日欧共同で進めていきます。

JT-60SAは、我が国唯一の大型トカマク実験施設として、科学的な研究成果への貢献のみならず、研究者育成への貢献にも大きく寄与できる研究開発拠点となります。

以上


戻る