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原子力機構ニュースロゴ    Ver.44 発行 2007.10.12  日本原子力研究開発機構 広報部
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 10月25日開催の第2回原子力機構報告会について多数の申し込みをいただきありがとうございます。ネットでの申し込みは随時受け付けておりますので、皆様のご来駕をお待ちいたしております。申し込みはこちらから → http://www.jaea.go.jp/02/info/jaea-houkoku2/top.html

 さて、今回の「研究開発現場から」は、核融合エネルギーの実現を目指し、核融合燃焼を実証するITER計画、炉心プラズマ研究、核融合エネルギー利用のための核融合工学研究を総合的に行っている核融合研究開発部門からお伝えします。なお、第2回原子力機構報告会においても核融合研究開発の最前線をご報告させていただきます。

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【研究開発現場から】 核融合研究開発部門 ブランケット工学研究グループ 谷川 尚
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 「核融合炉」と言われてそのイメージが現れる方はまだ少ないと思いますが、それは仕方ありません。なぜなら、まだ私たち核融合研究者の頭の中にしかないからです。そのイメージを大雑把にお伝えすると、「核融合炉」は数億℃もの超高温プラズマとそれを閉じ込めるための磁力線の容器、そして、核融合エネルギーを熱に変換し取り出すと同時に燃料を生み出す設備から成り立ちます。茨城県那珂市にある那珂核融合研究所の臨界プラズマ試験装置(JT-60)をはじめとする既存の装置では、模擬燃料を使った実験が進められてきました。現在、フランスで建設が進められつつある国際熱核融合実験炉(ITER)は、本物の燃料を使用して50万kWの核融合エネルギーを発生させようとしています。ITER計画は、日本、EU、ロシア、アメリカ、中国、韓国、インドの7極が参加する国際プロジェクトです。

 私が携わっているのは、「ブランケット」という機器の開発です。超高温プラズマを包むように設置して、核融合エネルギーを回収し、同時に、核融合反応で使った量と同じだけの燃料を作る装置です。燃料の素やエネルギーの回収方法などの違いによる方式がいくつかあり、ITERに参加する国々がそれぞれ開発に取り組んでいます。我々も独自のブランケットを開発中ですが、世界に先駆けて核融合による発電と燃料の生産に成功することが、私の大目標です。ブランケットの開発には材料、中性子などの研究分野など複数の研究グループが協力して取り組んでいます。私自身は、ブランケット全体の設計と、燃料の素の挙動評価を担当しています。設計には難しい点も多いですが、幅広い分野における最新の成果を取り込んでいくことは、とてもやりがいのあることだと感じます。どんな課題に取り組む場合にも、そこに面白みがあると思って見つめる余裕を持ちたいと思います。プラズマの加熱装置を開発しているグループでは、開発の過程で発見した現象が、世界的に権威のある科学誌”Nature”に掲載されるほどの成果に結びついたそうです。私が取り組んでいる燃料の素の挙動評価は、ようやくその精度に自信が持てるようになり、設計に必要なデータも揃ってきました。幻の発見も人知れずあったことは内緒ですが、まだまだ宝物が出てくることと期待を膨らませ、今日も明日も楽しく、真剣に装置と向き合いたいと思います。

【核融合研究開発部門の概要】
 核融合エネルギーは燃料が偏在せずに豊富であること、原理的には高い安全性を有し、発電の過程において地球温暖化、酸性雨等の地球環境問題の原因と考えられる物質を排出しないことなど、人類社会の恒久的な持続的発展を可能にし得る原子力エネルギーのひとつです。核融合研究開発部門では、ITER計画、炉心プラズマ研究、核融合工学研究という核融合開発の鍵となる3つの分野を総合的に進めています。また、ITER計画と並行して行われる日欧共同の幅広いアプローチ活動等の国際協力を積極的に利用して、核融合エネルギーの実用化を目指しています。(ホームページ http://www.naka.jaea.go.jp/

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【最新情報】
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07.9.27<プレス発表>冷中性子ビーム分岐装置の小型実用化に成功−中性子ビーム利用の機会増加へ−について掲載しました。
07.10.1<プレス発表>「光医療研究連携センター」の発足について掲載しました。
07.10.4<プレス発表>もんじゅ」を利用した日仏米共同の高速増殖炉燃料実証の推進について−第4世代原子力システム「GACIDプロジェクト取決め」の締結−について掲載しました。
07.10.4<プレス発表>東海研究開発センター核燃料サイクル工学研究所原子力事業者防災業務計画の修正について掲載しました。
07.10.4<プレス発表>人形峠環境技術センター原子力事業者防災業務計画の修正について掲載しました。
07.10.2<お知らせ>「幌延フォーラム2007」について掲載しました。
07.10.2<お知らせ>瑞浪超深地層研究所一般見学会のご案内について掲載しました。
07.10.3<お知らせ>テクノ交流館リコッティ「原子力の日」記念フェア「秋のふれあいコンサート2007」の開催について掲載しました。
07.10.4<お知らせ>放射性廃棄物地層処分の安全性に関する研究協力協定の締結について掲載しました。

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【プレス発表】
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平成19年9月27日、冷中性子ビーム分岐装置の小型実用化に成功−中性子ビーム利用の機会増加へ−について掲載しました。
http://www.jaea.go.jp/02/press2007/p07092701/index.html

平成19年10月1日、「光医療研究連携センター」の発足について掲載しました。
http://www.jaea.go.jp/02/press2007/p07100103/index.html

平成19年10月4日、「もんじゅ」を利用した日仏米共同の高速増殖炉燃料実証の推進について−第4世代原子力システム「GACIDプロジェクト取決め」の締結−について掲載しました。
http://www.jaea.go.jp/02/press2007/p07100401/index.html

平成19年10月4日、東海研究開発センター核燃料サイクル工学研究所原子力事業者防災業務計画の修正について掲載しました。
http://www.jaea.go.jp/02/press2007/p07100402/index.html

平成19年10月4日、人形峠環境技術センター原子力事業者防災業務計画の修正について掲載しました。
http://www.jaea.go.jp/02/press2007/p07100403/index.html

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【お知らせ】
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平成19年10月2日、「幌延フォーラム2007」について掲載しました。
http://www.jaea.go.jp/04/horonobe/forum/07/forum07.html

平成19年10月2日、瑞浪超深地層研究所一般見学会のご案内について掲載しました。
http://www.jaea.go.jp/04/tono/kengaku/kengaku_miu2.html

平成19年10月3日、テクノ交流館リコッティ「原子力の日」記念フェア「秋のふれあいコンサート2007」の開催について掲載しました。
http://www.jaea.go.jp/04/ricotti/html/news_top.html

平成19年10月4日、放射性廃棄物地層処分の安全性に関する研究協力協定の締結について掲載しました。
http://www.jaea.go.jp/02/news2007/071004/index.html

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【採用情報】
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量子ビーム応用研究部門中性子物質科学研究ユニットでは、特定課題推進員を募集します。
書類提出期限:平成19年10月17日(水)
http://www.jaea.go.jp/saiyou/employment/employment24.html

量子ビーム応用研究部門光量子ビーム応用研究ユニットでは、特定課題推進員を募集します。
書類提出期限:平成19年10月31日(水)
http://www.jaea.go.jp/saiyou/employment/employment25.html

量子ビーム応用研究部門光量子ビーム応用研究ユニットでは、任期付研究員を募集します。
書類提出期限:平成19年11月7日(水)
http://www.jaea.go.jp/saiyou/employment/employment26.html

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【調達情報】
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平成18・19年度 一般競争(指名競争)参加資格審査申請書の受付について。
http://www.jaea.go.jp/02/format/index.html

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■申し込みいただいた皆様に独立行政法人日本原子力研究開発機構の情報を配信しております。

■アドレス変更・配信停止については、以下のホームページをご覧ください。
  http://www.jaea.go.jp/14/14_0.html

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【編集・発行】独立行政法人日本原子力研究開発機構 広報部広報課
  http://www.jaea.go.jp/

【お問合わせ】お問い合わせフォームより → http://www.jaea.go.jp/13/13_1form.shtml
  原子力機構ホームページ、メルマガへのご意見、ご質問、お問い合わせなど皆様の声をお寄せください。

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