第7回 超深地層研究所跡利用検討委員会
議事録

超深地層研究所跡利用検討委員会事務局

日時: 平成19年10月11日(木)14:30〜17:00
場所: 瑞浪市産業振興センター及び瑞浪超深地層研究所
出席者:
委員長
河村 三郎 
(岐阜大学名誉教授)
 
副委員長
水野 光二
(瑞浪市長)
副委員長 高田 幸三 (岐阜県環境生活部長)
 
副委員長
早瀬 佑一
(原子力機構副理事長)
 
委  員
竹内 正俊
(土岐市副市長)
委  員 勝 康弘 (瑞浪市企画部長)
 
委  員
成重 隆志
(瑞浪市議会議長)
委  員 柴田 正廣 (土岐市議会まちづくり特別委員会委員長)
 
委  員
小木曽孝行
(平成19年度瑞浪市連合区長会会長)
委  員 宮地 富子 (瑞浪市食生活改善推進協議会会長)
 
委  員
河合 哲心
(平成19年度土岐市連合自治会連絡協議会会長)
 
委  員
加納 一夫
(瑞浪市明世町)
 
委  員
安藤 勝征
(瑞浪市明世町)
 
委  員
日比野安平
(岐阜県先端科学技術体験センター館長)
 
委  員
渡邉 厚夫
(資源エネルギー庁放射性廃棄物等対策室長)
 
委  員
三代 真彰
(原子力機構理事)
 
委  員
大澤 正秀
(原子力機構東濃地科学センター所長)
(欠席:石黒雄教(岐阜県東濃振興局長))
  事務局:原子力機構
自治体関係:岐阜県、瑞浪市、土岐市
傍聴者:6名
プレス:3社(中日新聞、読売新聞、岐阜新聞)

議 題:
(1)超深地層研究所計画の状況について
(2)瑞浪超深地層研究所の施設活用について
(3)その他

配布資料:
第7回超深地層研究所跡利用検討委員会次第
超深地層研究所跡利用検討委員会名簿
〔資料−1〕超深地層研究所計画の状況について
〔資料−2〕瑞浪超深地層研究所の施設活用について(PDF)
瑞浪超深地層研究所の現状(スライド資料−1)(PDF)
瑞浪超深地層研究所の施設活用について(スライド資料−2)(PDF)

1.開会
事務局より出席者の紹介

2.挨拶
(1)河村委員長
 ご多忙のところ、本委員会にご出席いただき感謝申し上げます。第7回の超深地層研究所の跡利用検討委員会の開会にあたり一言ご挨拶申し上げます。
 瑞浪超深地層研究所は、研究坑道の掘削が前回より進展し、深度200mの水平な坑道の掘削が行われ、調査・研究が進んでいると伺っています。研究所は、地域社会にとって学術研究としての利用だけでなく当地域の観光資源、地域振興の拠点として大きな可能性を将来に秘めていると考えています。
 昨年度開催した第6回の本委員会では体験学習の場としての施設活用について機構から説明があり議論を行いました。今回の委員会では、機構から研究所計画の状況の報告と併せて、前回の委員会開催以降の取り組み状況について説明いただき、議論を進めたいと考えています。

 各委員のご協力を頂きながら、活発な議論を行い、施設の活用方策を提案したいと考えているので、委員各位のご協力をお願いします。


(2)原子力機構(早瀬副理事長)
 お忙しい中、超深地層研究所の跡利用検討委員会にご出席いただき、感謝申し上げます。超深地層研究所の計画を進めている原子力機構を代表して、一言ご挨拶を申し上げます。
 本年1月に原子力機構の副理事長を拝命し、併せて本委員会の副委員長を務めさせていただくことになりました。今回が初めての委員会となりますので、今後ともよろしくお願いします。
 超深地層研究所については、委員長から説明があったとおり平成8年より研究計画を開始し、平成15年7月には研究坑道掘削に着手、現場での作業が進んでおります。立坑は200mまでの掘削が完了し、深度200mでの調査研究が行われているところであり、本日委員会終了後現場をご見学いただきます。
 研究所では、平成17年に締結した環境保全協定に基づき岐阜県、瑞浪市のご指導を頂きながら、排水などの管理を適切に行いつつ、事業を進めており、本年度も年度当初の計画通り現場での作業が進捗しているところです。
 これまでの岐阜県、瑞浪市を始めとする関係各位のご尽力やご理解、ご支援に深く感謝申し上げます。
 この跡利用検討委員会は、研究終了後の研究所の利用計画を策定するためのものであるが、跡利用につながるような施設利用についてもご意見を頂くとの方針に基づき、体験学習の場としての施設活用について、前回の委員会で報告をさせていただいています。
 今回の委員会でも、前回の委員会以降の取り組み状況を報告させていただきます。河村委員長をはじめ、各委員におかれては、原子力機構からの報告について、忌憚ないご意見を賜りたいと考えておりますので、よろしくお願いします。

3.議事
(1)超深地層研究所計画の状況について
 瑞浪超深地層研究所の現状について、事務局より資料に基づいて説明。主な質疑・コメントは以下のとおり。
(河村委員長)

 (OHP)5ページのボーリング横坑の方向が少し横に傾いているようだが、理由はあるのか。地層の境界や断層があるとか、地下水の流動が捕らえやすいなどの理由があるのか。

(事務局)

 ボーリング横坑では、現在直線方向に深さ100mのボーリングの掘削を行っている。もし次の深さのところで同じ方向にボーリング横坑を掘削した場合、ボーリング孔を遮ってしまうことになる。ボーリング横坑の方向を交互にすることにより、ボーリング孔を活用できるようになる。また、換気立坑側のボーリング横坑にも得枝坑を付けているが、この部分で行ったボーリングについても、その後も活用できるようにしている。
(河村委員長)
 そのような方法は今までの経験で行っているのか、それとも単に坑道のつながりを意識して行ったものなのか。
(事務局)
 後者である。
(河村委員長)
 共同研究の結果は、学会などの場で発表されると思うが、一般に分かりやすく公表するに当たっては、どのようなことを考えているのか。
(事務局)
 例えばHPを利用して研究成果を一般の方にも分かりやすく工夫して公表するように考えている。すでに地質環境の長期安定性に関する自然事象の研究については、すでに公開させていただいている、また、事業計画説明の場でもご説明させていただこうと考えている。
(河村委員長)
 できるだけわかりやすく公表していただけるようお願いする。
(小木曽委員)
 予備ステージのなかで岩盤が露出している部分があるが、どういうものか。
(事務局)
 深度200mの部分は花崗岩になっており、見学者をお連れした際に実際に岩盤を見て、触れていただけるようになっている。また、この岩盤部分には細かい割れ目がいくつかあり、これらについて今後研究に利用できると考えている。

(2)瑞浪超深地層研究所の施設活用について
 深度100mの予備ステージの活用方策の実施状況、地上施設における活動状況、今後の進め方について、事務局より資料に基づき説明。主な質疑・意見は以下のとおり。

(河村委員長)

 資料2の10に「200m予備ステージ及びボーリング横坑での研究終了後に、これまでの検討結果を踏まえた活用方策の整備を進めてまいります。」とあるが、研究終了後とはいつのことなのか。当分は深度200m地点予備ステージでの作業は続くようであるが。
(事務局)
 深度200mボーリング横坑では、ボーリング孔の掘削作業を行っており、現在は機械を据え付けた状態である。そのため、説明資料の写真では広そうに見える場所も、ボーリングの資機材によって大変狭い状態になっている。また、作業も行われているため、安全上、現時点で一般の方に現場をご視察いただくのは難しい状況である。なお、この作業は年内で終了したいと考えている。
 また、現在深度200mまで掘削が完了しているが、エレベータで直接行くことができない。そのため、年明け早々に掘削を始め、深度200m以深の部分の掘削(深度220m〜230m)を行い、そこにスカフォードを収め、エレベータで直接行けるようにしようと考えている。それが可能になり次第、例えば来年度からの月1回の一般見学会ではご案内できると考えている。
(河村委員長)
 次回の委員会では成果を聞けるものと期待している。
 200mのボーリング横坑では岩盤を露出するということだが、柵などは付けられると思うが、照明についてはどうか。
(事務局)
 この(OHPの)図では、全体的に黄色くなってしまっているが、岩盤を露出させた部分については階段等を設置し、2m上がるまでのところには手すりを付け、実際に見ていただけるようにしようと考えている。また、現在はでこぼこになっているところも掃除を行い、きれいにした状態で見ていただこうと考えている。

(河村委員長)

 岩盤を露出させる部分のうち、20cm〜30cm四方を研磨して、見せるということは考えているのか。磨いた場合はどのような感じか比較して見られると思う。あくまでも研磨した場合、サンプルとしてどうかということである。

(事務局)

 現在のところは、自然の状態で見せることを考えているが、検討してみる。

(小木曽委員)

 岩盤を露出した部分で地下水は出るのか。

(事務局)

 地下水については、にじみ出るということはあるが、いわゆる地下水が出ているという量ではない。

(小木曽委員)

 岩盤を見せる以外で、科学的に分析された資料などを展示する予定はあるのか。

(事務局)

 東濃地域にある花崗岩がどのようなものなのか、例えば7,000万年前、恐竜が絶滅しかけていた時代にこの花崗岩ができた等の分かりやすい説明のポスターなどを展示する予定である。

(加納委員)

 体験学習を行われているようであるが、地域の中高生が理解しやすいように坑道建設の様子や工事の方法などを説明した模型はあるのか。

(事務局)

 現在、瑞浪超深地層研究所の管理棟には実際の工事の手順を説明した模型や、ビデオを用意している。また、概況説明の中でもOHPやビデオなどを使ってご説明させていただいている。

(加納委員)

 安全確認委員会で1日1,000t近くの温水が出ると予想されていると聞いた。この地下水を活用して、温泉施設などに利用してはどうか。

(事務局)

 現在のところ水温は24、25度程あり、今後掘削を進めていくと地温の関係から将来的には37、38度になると予想している。温泉の定義については、25度以上か温泉として有効な成分を含めば、温泉ということのようである。しかし、温泉を掘るということを目的に事業を行っておらず、その中で温泉としての利用が適切にできるか検討していかなければならないと考えているが、手続的に、また法律的な問題も検討していかなければならない。

(加納委員)

 管理を原子力機構にお願いするのではなく、管理組合等を作り、地元として排水を温泉として利用することは出来ないだろうか。

(早瀬副委員長)

 我々の目的はあくまでも研究として地層を掘っており、そこから水が出る、この水は排水という形で処理している。温泉という案も考えられないわけではないが、事業目的その他の点からして、法的課題のクリアなど難しい面がある。

(河村委員長)

 掘削が完了し、研究が終了した後には研究達成ということで違った方向が出ることもあり、可能性としては残していただきたい。

4.閉会の挨拶

(水野副委員長)

 慎重な議論に感謝申し上げます。200m予備ステージが、来年度には見学できるようであります。世界的にも大変貴重な研究であり、地質学等の勉強の場として活用して欲しいと思います。また、温泉というご提案もあったが、時間をかけてあらゆる可能性をこの検討委員会で審議していただきたいと思います。
 この研究が安全安心に進められることを祈念します。


5.その他
 委員会終了後、瑞浪超深地層研究所を視察

以 上