第14回 超深地層研究所跡利用検討委員会 議事録

超深地層研究所跡利用検討委員会事務局

日 時: 平成26年11月14日(金)16:00~17:00
場 所: 瑞浪市窯業技術研究所
 出席者:
委員長
池永 輝之
(岐阜経済大学名誉教授)
 
副委員長
水野 光二
(瑞浪市長)
 
副委員長
宗宮 正典
(岐阜県環境生活部長)
 
副委員長
齋藤 伸三
(原子力機構副理事長)
 
委  員
若宮 克行
(岐阜県東濃振興局長)
 
委  員
小島 三明
(土岐市副市長)
委  員
水野  正
(瑞浪市総務部長)
 
委  員
山田 実三
(瑞浪市議会議長)
 
委  員
楓  博元
(土岐市議会まちづくり特別委員会委員長)
 
委  員
近藤 泰文
(瑞浪市連合自治会会長)
委  員 村上 賀子
(瑞浪市食生活改善推進協議会会長)
 
委  員
白石  聰
(土岐市連合自治会会長)
 
委  員
荻野 義明
(瑞浪市明世町:戸狩区代表)
 
委  員
伊藤 征史
(瑞浪市明世町:山野内区代表)
 
委  員
飯尾 正和
(岐阜県先端科学技術体験センター館長)
 
委  員
石井  紘
(地震予知総合研究振興会東濃地震科学研究所長)
 
委  員
小林 大和
(資源エネルギー庁放射性廃棄物等対策室長)
 
委  員
溝田  岳
(文部科学省研究開発局放射性廃棄物企画室長補佐)
 
委  員
野村 茂雄
(原子力機構理事)
 
委  員
藤井 文人
(原子力機構東濃地科学センター所長)
傍聴者:4名
プレス:2社(岐阜新聞社、中日新聞社)

議 題:
  1. 超深地層研究所計画の状況について
  2. 瑞浪超深地層研究所の施設活用について
  3. その他(跡利用計画検討の今後の進め方)

配布資料:

1.開会

事務局より委員の位置づけについて説明、出席者の紹介。


2.挨拶
(1)池永委員長

瑞浪超深地層研究所は、先の機構改革に伴って策定した計画において、今後、深度500mまでの水平坑道で、残された必須の課題の研究を進めていくと伺っている。研究所は、地層処分研究開発の基盤となる科学的研究という重要な研究を進めており、地層処分技術の信頼性を高めていくという観点で、課題に対する成果を上げられるよう、引き続きしっかりと取り組んでいただきたいと考える。また、今回の委員会においては、これまでの施設活用方策の報告に加え、研究終了後の利用計画の検討の進め方についても説明いただき、議論を深めていきたいと考えている。委員各位のご協力のもと、活発な議論を行い、実りのある会合としたいと考えているので、よろしくお願いしたい。


(2)原子力機構(齋藤副理事長)

岐阜県や瑞浪市をはじめ、関係各位におかれては、日頃より、当機構の事業に対して、ご理解、ご支援を賜り、深く感謝申し上げる。さて、原子力機構では、「もんじゅ」における保守管理上の不備で規制委員会から厳しい批判にさらされている。また、大強度陽子加速器施設(J-PARC)における放射性物質の外部漏えい事故も起こし、これらを契機として、機構改革に向けて、昨年10月から一年間を集中改革期間として、議論してきた。今年9月30日をもって、原子力機構全体の改革としては、ほぼその見通しが立ち、文部科学大臣へ報告している。一方、もんじゅにおいては、保守管理上の不備に伴って措置命令ということで、不備を解消しないかぎり運転再開に向けた次の仕事をしてはならないという非常に厳しい命令を受けている。これはまだ解除できていないので、引き続き半年、一丸となって進めて行くという状況になり、日夜集中している。

改革ではもう一つの課題があり、原子力機構の運営について、合理的によりスリム化した形で業務を進めることであり、国の方針として原子力機構の研究開発部門2つを他の機構へ移すということも検討している。このような厳しい状況の中、深地層の研究施設計画については、処分事業や安全規制に資するため、これまでの成果を取りまとめ、それに基づき残された必須の課題を明確にした今後の計画を立てるようにとの国の方針に基づき検討をしてきた。機構改革の状況については、後ほど担当の方からご紹介させていただく。一方、研究所では、平成17年に締結した環境保全協定に基づき、岐阜県や瑞浪市のご指導を賜り、排出水などの管理を適切に実施しながら事業を行っているところであるが、引き続き万全の環境対策を行いつつ進めて参りたい。

改革に伴う計画内容を踏まえ、今後策定する第3期中期計画の中で、研究を集約した形で進めて行くという方針で参りたいと思うが、本委員会において、まさにその跡利用について、ここにいる委員各位から忌憚のないご意見を賜り、今後どうしていくかということを一緒に考えさせていただければ幸いと考えている。


3.議事
(1)超深地層研究所計画の状況について

事務局より資料に基づき説明。
 質疑なし。


(2)瑞浪超深地層研究所の施設活用について

事務局より資料に基づき説明。


(山田委員)

体験学習への取り組み、地域への広報活動といった予算は、原子力機構が負担しているものか。


(杉原副所長)

そうである。


(山田委員)

国に色々なメニューがあると思うが、電源立地の制度の概要ということで広報や安全のための交付金があるが、岐阜県も市もなかなか活用しきれていないと承知している。体験学習や地域への広報活動というのは、こういった補助金を有効に使って自治体と協力し行うことに積極的ではなかったと思う。今回説明された体験学習や広報活動のいくつかは、そういった補助金の活用も図っていくべきではないかと思う。


(杉原副所長)

こちらに示したものに関しては、我々の人員と予算で実施している。開かれた施設として行っていくという一環で活動している。外部の資金についても活用できるものがあれば積極的に取り込んでいきたい。


(飯尾委員)

サイエンスワールドとの協賛で、親子で地下の体験教室を行っている。非常に好評で、今年は午前午後と行っていただいており、予約受付開始から15分程度で定員となる状況であった。地下の様子を知るといった、ここでしかできない体験学習なので、是非、今後回数を増やしていただけるとありがたい。


(藤井委員)

これまでもサイエンスワールドには運営面でも多大な協力をいただいている。これからも一層充実していこうというご提案、ありがとうございます。よろしくお願いいたします。


(3)その他(跡利用計画検討の今後の進め方について)

事務局より資料に基づき説明。


(伊藤委員)

本日、跡地利用の説明を受けたことで、処分場にならないということが確認できたので、地域の皆さんに報告できる。跡地利用について、埋め立てるという話があったが、埋め立てと跡地利用を併用して行うのか伺いたい。埋め立ててしまうと跡地利用にならないのではないかと思う。


(杉原副所長)

瑞浪市との契約に基づくと原則、埋戻しとなっている。市の方で跡利用を考えることに関しては、我々としては十分に考慮するということになっている。跡利用の形態によって、どの範囲をどのような形で跡利用されることによって埋戻しの範囲も決まると考える。


(伊藤委員)

瑞浪市としての意見は。


(水野副委員長)

協定書に基づいて、ふさわしい跡利用があれば協議をしたいと思っている。今のところ具体的な計画はないが、計画のタイムスケジュールもはっきりとしてきたので、跡利用検討委員会で審議をいただき、良い方法があればと思う。瑞浪市で市民の皆さんと考えても、これだけの施設を維持管理していくことも大変であるので、跡利用としては国際的な国家的な研究や開発といった大きなプロジェクトしかないのではないかと考える。それがない以上、埋め立てするのかなと思っている。


(池永委員長)

来年度以降、公募というようなこともあがっているので、また、委員の皆さんや市民の皆さんのご意向・ご意見を承る機会がでてくるのではないかと思う。


(萩野委員)

地震研究ということで施設を使っているということで、500mという深度で具体的にどのように役に立っているのか。


(石井委員)

東濃地震科学研究所の研究の状況についてご理解いただくためにパンフレットを持参した。当研究所では、地元の各所の地下ボアホールに計測器を設置して、様々な観測を行っており、地震波形などの世界有数のデータを取得している。これらは防災などの各分野に反映することが期待されている。

これらの研究を進めるにあたって、瑞浪超深地層研究所の深い立坑は貴重であり、この状態で残して欲しいと考えているが、一方で、維持費もかかることから、ある程度の埋め立てもやむを得ないと思うが、埋めたとしても観測は可能である。深い場所での観測は世界でもやっていないものもあるので、例としてここに地震の研究所ができて、世界中の専門家が集まる場所になれば良いと思う。また、地震博物館を設置するのも活用の一つかと思う。地方にある地震科学館では小さな地震の体験ができるが、本格的な地震を体験できる施設は日本中にはない。ここは、東濃研究学園都市なので日本一の博物館ができたらますます盛んになるのではと思う。


4.閉会の挨拶
(池永委員長)

本日は、長時間にわたり本委員会にご参加いただき、委員各位のご協力により、委員会を円滑に進行できたことに感謝申し上げる。今後も研究所の計画が順調に進捗し、研究所が地域に貢献できるような施設になることを希望して、第14回の本委員会を閉会する。


5.その他

委員会開催前に瑞浪超深地層研究所のご視察を行った。


以 上
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