超深地層研究所計画
地質・地質構造の調査研究
第1段階の調査研究では、地表地質調査や地上からの物理探査(反射法弾性波探査)およびボーリング調査によって、地層境界や不連続構造 (断層や割れ目)などの地質・地質構造の分布を調査しました。また、これらの分布を三次元的に表現した地質構造モデルを構築しました。
第2段階の調査研究では、研究坑道における壁面調査やボーリング調査、坑道掘削中の物理探査などによって、 研究坑道とその周辺の地質・地質構造の分布を調査して、第1段階で実施した調査技術の適用性や構築したモデルの妥当性について確認するとともに、 構築したモデルの更新を行いました。
第3段階の調査研究では、坑道周辺に認められる不連続構造を対象として、地下水流動や物質移動に寄与する不連続構造の抽出方法や その地質学的特徴について調査研究を行いました。
これまでの調査研究により、研究所及びその周辺の地質・地質構造の特徴として以下のことが明らかになっています。
- 研究所用地およびその周辺には、北西-南東走向および北東-南西走向の高角度傾斜の断層(地質断層)が複数条分布している。
- 低角度傾斜の割れ目の密度分布に着目すると、研究所用地およびその周辺の花崗岩は、上部割れ目帯、下部割れ目低密度帯に区分でき、 上部割れ目帯中には特に低角度割れ目が集中する、低角度傾斜を有する割れ目の集中帯が分布する(図1)。
- 深度300m研究アクセス坑道では、観察される割れ目の10%程度が透水性割れ目である(図3)。
以上のような研究開発の過程で、地上や坑道で利用する調査解析技術の整備を進めています。 今後は、以下のような調査研究を実施していく予定です。
- 坑道壁面地質調査や研究坑道からのボーリング調査等を通じた、不連続構造の分布の妥当性確認
- 地下水流動および物質移動に寄与する不連続構造の抽出およびモデル化に向けた調査研究
- 地質環境の長期的な変化に関する研究
上記に関わる公開資料については、成果リストをご参照下さい。