Logo

プルトニウム管理に関する指針(仮訳)

一般的事項(注1

1.各国は、平和目的の原子力開発利用を行う奪い得ない権利を有する。この権利は、その管理下にある核物質の使用及び管理に関する独立の責任が伴う。しかしながら、核変換あるいは濃縮を行うことなしに核爆発装置に使用できる物質は特に機微であり、特別な予防策が必要である。本ペーパーは、各国政府による原子力平和利用活動すべてにおけるプルトニウムの責任ある管理に対する指針を述べるものである。本指針は、使用済燃料(注2に含まれるプルトニウムの管理あるいは高濃縮ウランの管理には適用しないが、〔……〕国政府は、これらの物質の機微性及び本指針対象のプルトニウムと同様の考え方の責任を持って管理を行う必要性を認識する。

2.以降の指針でいうプルトニウムとは:

3.本指針は、すべての原子力平和利用活動におけるすべてのプルトニウム及び当該国政府によりもはや国防目的に不要とされた後のその他のプルトニウムの管理に適用される。

4.上記に係わらず、本指針は以下のプルトニウムには適用しない。

  1. 80%を超えるプルトニウム238を含むプルトニウム
  2. グラム規模あるいは検出体として使用されるプルトニウム
  3. INFCIRC/153のパラグラフ37並びにIAEA、〔ユーラトム〕及び〔……〕国政府の間における保障措置協定において対応する〔フランス、中国、ロシア、英国、米国においては同等の〕パラグラフで示される方法に基づき、IAEA保障措置から適用除外を受けたプルトニウム
  4. INFCIRC/153のパラグラフ11、13及び35並びにIAEA、〔ユーラトム〕及び〔……〕国政府の間における保障措置協定において対応する〔フランス、中国、ロシア、英国、米国においては同等の〕パラグラフで示される方法に基づき、IAEA保障措置の終了を受けたプルトニウム

核不拡散と国際保障措置

5.プルトニウムは、〔……〕国政府の核不拡散条約上の義務、〔ベルギー、独国、仏国、英国については、ユーラトム条約上の義務〕、IAEAとの保障措置協定及びその他核不拡散コミットメントに従って取り扱われることを維持する。

責任ある取扱い

6.プルトニウムは、製造、分離、処理、加工、使用、輸送、貯蔵及び処分すべての段階において、〔……〕国政府が受け入れている現在国際的に認められている放射線防護(注3、原子力安全に係る基準(注4、及びその他関連する国際的コメットメント(注5に従って取り扱われることを維持する。

核物質防護

7.使用、貯蔵、又は輸送中(国際輸送を含む)のプルトニウムの核物質防護手段の適用においては、〔……〕国政府は核物質防護条約の要求及びINFCIRC/225、Rev.3「核物質防護」によるIAEA勧告を考慮した本ペーパーANNEX_A「核物質防護レベル」に従うものとする。

8.15gを超えて保有する分離プルトニウムは、使用(研究開発での使用を含む)又は処分されるまで、再処理工場、加工工場、又は〔……〕国政府が貯蔵場所と認めた場所でのみ貯蔵される。貯蔵場所の認可の際、〔……〕国政府は、セキュリティの観点から、このような場所の数が制限されることが望ましいことに留意する。

計量管理

9.プルトニウムは、物質収支区域(注6に基づいた効果的な核物質計量管理システムの対象となる。そのようなシステムは、物質収支区域ごとに実在庫(注6やそれを決定する際に使われた測定結果の計量記録、帳簿在庫(注6を決定する際の全ての在庫変動(注6及び実在庫や帳簿在庫に関する調整事項(注6や訂正事項を保持することを要求する。また、そのシステムは以下のことを規定する。

  1. プルトニウムの受入れ、製造、払出し、損失量、又は在庫からの除去量及び在庫量の決定のための測定システム。このシステムは再起の国際基準に従うか、またはそのような基準内容と同等なものとする。
  2. 測定の正確さ、及び精度の評価と測定の不確かさの推定
  3. 受払における測定の差の同定、精査及び評価を行う方法
  4. 実在庫(注6測定の方法
  5. 測定されない在庫量及び測定されない損失の累計量の評価方法
  6. 各物質収支区域におえるプルトニウム在庫量並びに受入及び払出しによる在庫量変動の記録及び報告の提示システム
  7. 計量方法及び制度が正しく機能していることを保証する規定

また、計量記録の定期的検認を規定する。

国際移転(注7

10.50グラムを超える平和利用目的のプルトニウムを非核兵器国へ12ヶ月のうちいずれかの期間で移転する場合、〔……〕国政府は、その輸送の認可を行う前に受入国、政府(注8から以下の項目を述べた公式の保証を要求する。

  1. 当該プルトニウムが平和目的のみに使用され、かつ核爆発装置に使用されないこと
  2. Yプルトニウムは、少なくとも受入国においてプルトニウムが実際に使用されている期間、並びにIAEA保障措置が終了する時点まで両当事国の権利及び義務が当該プルトニウム及び生産され、処理され、または使用された特殊核分裂性物質に関し継続して適用されることを示す協定の下で、IAEA保障措置下に置かれること
  3. 当該プルトニウムは、認可されない使用や取扱いを避けるため、本指針パラグラフ7での要求に従って有効な核物質防護下におかれる。プルトニウム輸送の義務については、核物質の防護条約の要求に従って明確に定義される。
  4. 当該プルトニウムは〔……〕国政府の事前の承諾なしには第3国へ移転されないこと。そのような移転を行う場合、本ラグラフ及びパラグラフ11及び12の要求に従うこと。

11.さらに、50グラムを超える分離プルトニウムを一つの受入国へ12ヶ月のうち、いずれかの期間で払い出す場合、〔……〕国政府は荷受人から事前に、量、おおよその輸送日、最終目的地及び最終用途、並びに使用に関し予測される計画についての保証書の準備を要求する。受入れ国政府は、これらの情報が正確であることを確認する。

12.分離プルトニウムのこのように提案された払い出しについては供給国と受入国との間で、両国の核不拡散に関するコミットメント、受入国が保有する分離プルトニウム量及び受入国のプルトニウム利用の国家戦略に関する情報、最終的用途に関する荷受人の保証書、その他適切な状況に照らし合わせ、協議を行う。

プルトニウム管理に関する政策

13.〔……〕国政府は、核燃料サイクルに関する国家決定に合致し、平和的使用又は安全かつ永久的処分を保証する方法でプルトニウムを管理することをコミットする。その方策の策定に当たっては、核拡散、特にプルトニウムが燃料として照射される前あるいは永続的に処分される前の貯蔵期間中の核拡散の危険を回避する必要性、環境、作業者、公衆を保護する必要性、核物質の資源価値、費用・利益、所用予算、合理的作業在庫の需要を含み、可能な限り早期に受給をバランスさせることの重要性を考慮する。

情報の公表

14.プルトニウム管理に対する透明性及び公衆の理解の増進の観点から、〔……〕国政府は以下を公表する。

  1. 原子力発電及び核燃料サイクルの国家戦略を表す簡潔なステートメント、及びそれを背景とした自国で保有するプルトニウム管理の概括的な計画:及び
  2. Annex_Bで記述されるフォーマットによる指針で対象とするすべてのプルトニウム推定量の年次報告および
  3. Annex_Cで記述されるフォーマットによる使用済民生原子炉燃料保有量中のプルトニウム推定量の年次報告

15.〔……〕政府は、他の同様な指針を適用している国の政府と本指針を実施する際の経験を喜んで交換する。さらに、これら政府と発生する実施上の問題について、解決策を得るため、必要な場合協力する。指針がIAEA事務局長に通告された日から少なくとも5年後の合意された時期に、他の同様な指針を適用している国々と共に、指針の適用の経験及び状況の変化を考慮して指針の見直しを行う。

(注1)本指針は、IAEA事務局長に本指針を伝達するため○月○日付口上書と一体で読まれるものである。

(注2)zzパラ14(iii)の使用済燃料中のPu量評価値の発表を除く。

(注3)特に、IAEA放射線防護基準、及びこれに由来する基準。

(注4)特に、IAEAの原子力安全に関する原則及びこれに由来する安全基準、さらにIAEA及びIMOその他国際機関の核物質の安全輸送に関する基準

(注5)例えば、原子力安全に関する国際協定やその他核物質の安全輸送等の国際協定

(注6)この用語はIAEA文書INFCIRC/153のパラ98〜116での定義と同様であるNPTに関連し、要求されるIAEAと国々との間の協定の構造及び内容。

(注7)ECメンバー国として、〔……〕国政府はEC域内の移転に関し、本指針をユーラトム条約における公約に照らし合わせ実施することとする。

(注8)「受入国」とは予定受取人(輸入者)が属する国である。受入政府はその国の政府である。「供給政府」とは輸出認可の責任を持つ政府である。「供給国」とは、「供給国政府」に統治される国である。