用語解説

1) DNA塩基

アデニン、グアニン、シトシン、チミンの4種類があり、これらがDNA分子上に順番に配列されることによって、タンパク質などをコードする遺伝の設計図となる。

2) 微小核細胞

細胞分裂の際に形成される紡錘糸と呼ばれる細胞内構造の形成を阻害する薬剤を処理することによって、細胞内に染色体を1本(ないし2本)しかもたない小さな核(微小核)が形成される。 この微小核を細胞から抽出したものを微小核細胞と呼ぶ。

3) 微小核細胞融合法

特定の染色体を別の細胞に移入する方法の一つで、微小核細胞と受容細胞(染色体を移入される側の細胞)を融合することにより、特定染色体を別の細胞に移入する方法の一つ。 染色体のドナーとなる細胞から染色体を含んだ微小核細胞を取り出す。 その後、受容細胞に対して、抽出した微小核細胞を融合させることで、染色体を他の細胞に移入する。 微小核細胞融合法の利点は、通常の遺伝子導入法では困難な遺伝子も安定に移入可能であることや、移入後の細胞内の安定性が高く遺伝子移入の効率が良いことである。

<図3の補足説明>

は4つ、は5つのデータ点があります。 これは、それぞれが独立したクローン細胞株の結果を示しています。 また、それぞれのクローン細胞株ごとに50〜100個の細胞について調べており、その平均値をシンボルで、標準誤差をエラーバーで示しています。 クローン細胞株ひとつの細胞が分裂した後の子孫細胞であるため、クローン細胞同士同じ性質を持つはずですが、染色体が不安定化することで、同じクローン細胞でも様々な染色体数を示す場合があります。 そこで、クローン細胞株ごとに複数の細胞を取り出して染色体数を調べて平均値を出しています。 染色体数が大きく異なる(すなわちエラーバーが大きい)というのは、同じクローン細胞株どうしてもそれぞれの細胞で染色体数が異なるとを示しています。


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