用語解説

(注1)原子核の表記
陽子と中性子の数により決定される原子核の種類は元素記号と質量数(陽子数と中性子数の和)で示される。例えばアルゴン-40は陽子数が18,中性子数が22の原子核であるため質量数が40で40Arと表記される。同様に36Ar,40Ca,44Tiはそれぞれ陽子数,中性子数ともに18,20,22の原子核を示す。
(注2)超変形魔法数
超変形状態が現れやすい陽子数,中性子数。単純な理論モデルでは16, 28, 40, 60, 80, 110, 140が予想されているが,18, 20, 22が新たな超変形魔法数の候補となっている。
(注3)魔法数
原子核が特に安定になる陽子数,中性子数。これまでに2, 8, 20, 28, 50, 82, 126が知られており、一般に陽子数、中性子数が魔法数の原子核は球形の形状を持つ。
(注4)異常変形領域
陽子数9のフッ素から12のマグネシウムで中性子数が20程度の領域,「軌道逆転の島」とも呼ばれている。中性子数が魔法数20になっているにも関わらず,何故大きな変形が現れるのか,そのメカニズムは様々な理論モデルで議論されているが,詳細な実験データが待たれている。
(注5)タンデム加速器
強い静電場をかけて重イオンを加速する装置の一種。負の電荷を持つ重イオンを加速装置の中間地点に印加した高い正の静電場で加速した後,そこで電子を引き剥がして正電荷のイオンに変えて更に加速する二段加速方式を取るものをタンデム加速器と呼ぶ。
(注6)核融合反応
原子核反応の一種で,重イオン同士を融合させて新たな原子核を生成する反応。反応式26Mg(18O, 2p2n)は26Mgに18Oを照射した後,陽子2個(2pと表記),中性子2個(2nと表記)を放出して40Arが生成される事を示す。
(注7)多重ガンマ線
核融合反応によって生成された高速回転する高いエネルギーを持った原子核がエネルギーの最も低い状態へ移る際に同時に放出する多数のガンマ線を示す。

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