(用語解説)

1)量子ビーム
高エネルギー陽子を標的核に衝突させると、2次粒子として中性子、パイ中間子、K中間子、ミュオン、ニュートリノなどが発生する。J-PARCの実験施設では、これら「量子」と総称される粒子をビームとして利用する。
2)核破砕反応
約1億電子ボルト以上の高エネルギーに加速された陽子を水銀、鉛ビスマス、鉛、タングステン、タンタル、ウラン等の標的に入射することにより、標的の原子核がバラバラになり、陽子及び中性子などの多数の2次粒子を放出する反応を指す。
3)核破砕中性子源 (→補足資料
加速器で生成した高エネルギーの陽子ビームが原子核に入射すると、原子核がバラバラになり、多量の中性子などが放出される(この核反応を核破砕反応と言う)。核破砕中性子源で生じる核破砕反応により生成した高エネルギー中性子(温度換算で数百億℃)を-250℃程度の実験に適した温度にまで冷やし、多様な中性子実験装置に中性子ビームとして供給する。実験装置では中性子ビームを利用した様々な実験が行なわれ、ライフサイエンス、工学、情報・電子、医療など、広範な分野の研究展開が期待されている。
4)(中国)国家重大科学技術基礎施設
2004年4月に(中国)国家発展改革委員会で選定された科学技術推進のための国家的施設であり、核破砕中性子源のほか、大型天体望遠鏡、海洋科学総合調査船、蛋白質科学研究施設、農業のバイオ安全研究施設など多数の施設等が建設される。
5)中国科学院高能物理研究所
北京に所在し、高エネルギーに係る物理を主な研究分野とし、所有するいくつかの加速器施設を利用しながら高エネルギー実験と理論、宇宙物理、原子核物理、加速器工学等の研究を進めている。

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