平成19年11月2日
独立行政法人日本原子力研究開発機構
 
高速実験炉「常陽」計測線付実験装置との干渉による回転プラグ燃料交換機能の一部阻害について
 
 大洗研究開発センターの高速実験炉「常陽」(平成19年5月15日より第15回施設定期検査実施中)は、6月11日に発生した燃料交換機ホールドダウン軸荷重異常(6月15日週報にて既報)による機器の点検を行ったところ、新ホールドダウン軸の先端に圧痕を2箇所確認しました。(6月22日週報にて既報)
 この原因調査の一環として、炉心崩壊熱の低下後にナトリウム液位を下げて観察装置(カメラ及びファイバースコープ)を用いた炉内観察を断続的に実施しました。
 既存の観察装置を使用した9月までの調査では、原因特定に至る明瞭な画像が得られず、装置を更新して継続調査することといたしました。(9月14日週報にて既報)
 新規装置にて10月10日より明瞭な画像を収集・分析した結果、計測線付実験装置(MARICO-2)試料部の突出及び一部の部品が外れていることを確認しました。
 また、炉心上部機構の下端にも影が確認されましたが、詳細検討の結果、回転プラグの運転に影響を与えるものではないと判断しました。
 これまでのところ脱落した部品は確認されていませんが、MARICO-2試料部と炉心上部機構等との干渉により、回転プラグの運転範囲が制限され、回転プラグの燃料交換機能の一部阻害が判明したため、本日、文部科学省、茨城県及び関係市町村へ状況を報告しました。
 本件に伴う炉外への放射性物質の放出並びに環境への影響はありません。

(別紙)
 高速実験炉「常陽」計測線付実験装置との干渉による回転プラグ燃料交換機能の一部阻害について
以 上

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