添付資料2
 
柏崎刈羽原子力発電所における観測データを基に行う高速増殖原型炉もんじゅの主要設備への概略影響評価
 
 原子力発電所は十分な耐震裕度を持っており、これまでも多度津工学試験所での耐震実証試験などによりその裕度を確認してきた。また、新潟県中越沖地震において、現在までの調査では、柏崎刈羽原子力発電所の安全上重要な設備に損傷が確認されておらず、また、プラントは安全に停止している。
 しかしながら、柏崎刈羽原子力発電所では、設計を大きく超える地震動が観測されたため、当機構では、今後、新潟県中越沖地震から得られる知見を適切に反映しつつ、現在実施している「もんじゅ」における各施設の耐震安全性評価を行っていくこととしている。
 本概略評価は、上記耐震安全性評価とは別に、柏崎刈羽原子力発電所で観測された地震記録により、「止める」「冷やす」「閉じ込める」の安全上重要な機能を有する主要な設備について、その機能の維持への影響を評価するものである。

1    検討方法
 柏崎刈羽原子力発電所で観測された「原子炉建屋基礎版上の床応答スペクトル」と、「もんじゅ」における耐震安全性の確認のために過去に作成した地震動(以下、「検討用地震動」という。)による「原子炉建物基礎版上の床応答スペクトル」を比較する。それにより、柏崎刈羽原子力発電所原子炉建屋が受けた地震動による「もんじゅ」主要設備の機能維持への影響を評価する。
 また、多度津工学試験所での耐震実証試験など、過去に実施された評価等から得られる知見も必要に応じて活用する。

 注:「原子炉建屋基礎版上の床応答スペクトル」とは、原子炉建屋基礎版上の加速度の時刻歴波形をもとに、周期毎の応答値を求めた線図である。

 
2    使用する床応答スペクトル
柏崎刈羽原子力発電所の床応答スペクトル
 柏崎刈羽原子力発電所の1号機と4号機の原子炉建屋基礎版上で観測されたデータを基に算出された床応答スペクトル。
「もんじゅ」の床応答スペクトル
 検討用地震動による原子炉建物基礎版上での床応答スペクトル。
 検討用地震動は、旧指針に基づき策定された基準地震動S2を用いる。

 
3    影響を評価する設備と方法
 「止める」「冷やす」「閉じ込める」の安全上重要な機能を有する主要な設備の中で、代表的な原子炉容器、原子炉格納容器、1次主冷却系循環ポンプ、制御棒(挿入性)等を対象として、それぞれの設備の固有周期に対応する「もんじゅ」の床応答スペクトルが柏崎刈羽原子力発電所における床応答スペクトルを上回っていることなどで、それぞれの設備の機能が維持できることを確認する(図1参照)。なお、必要に応じて個別機器毎の設備裕度を加味した評価等を実施する。
 
以 上

 

もどる