参考資料

1.水平展開の概要
(1)他の設備に対する予防処置
 焼却・溶融設備の蛇腹部以外及び前処理設備、高圧圧縮装置及び金属溶融設備における火災の発生予防のため、以下の処置を講じる。
 @ 設備の点検
 焼却・溶融設備及び金属溶融設備について、以下の箇所を点検する。なお、点検の結果、火災発生を予防する上で必要と認めた場合は、使用材料の見直し又は温度管理を実施する。
・溶融物に接する部位及び溶融物からの熱が伝わり高温となる部位の材料
・溶融物の輻射熱及び飛沫の飛散を受ける部位の構造及び材料
 A 安全管理対策の実施
 焼却・溶融設備火災の再発防止対策として実施する対策のうち、前処理設備、高圧圧縮装置及び金属溶融設備に有効な対策を適切に水平展開する。

(2)各拠点への水平展開
 @ 手引等に関する事項
 施設・設備の運転及び保守に関する手引等について、次の事項を確認する。なお、これらを確認した結果、記載等が不十分な場合には、本報告後2ヶ月を目途に手引等の作成又は改訂を実施する。
・自主的かつ定期的に実施している巡視点検がある場合は、その点検要領等が定められていること。
・施設の重要な安全機能を有する設備について、機能維持のために予防保全が必要な交換部品の管理基準を定める旨が記載されていること、又は管理基準が定められていること。
・異状を認めた場合の処置として、異状に関する記録及び通報連絡に関する事項が記載さていること。
・試験運転及び施設の重要な安全機能を維持するための保守作業において、要領の定めのない場合には、あらかじめ要領書を定め必要な教育訓練を行う旨が記載されていること。
 A 教育に関する事項
 保安規定に基づき実施してきた教育訓練が、施設・設備の運転及び保守の業務に必要な項目・内容を網羅しているかどうかについて、本報告後2ヶ月を目途に確認する。その結果、不十分な項目・内容があった場合は、今年度の教育訓練実施計画に追加して、実施する。
 なお、(1)及び後述(3)において、手引等若しくは施設品質保証計画等を改訂又は作成した場合は、その内容についてすみやかに教育する。
 B 品質保証活動に関する事項
・上記(1)で確認した手引等が、施設品質保証計画又は文書管理要領にて管理すべき文書として位置づけられていることを確認する。
・運転管理又は施設管理に関する情報の伝達、交換、共有化を確実にするため、課内会議等が内部コミュニケーションの手段として位置づけられていることを確認する。
 なお、確認できない場合は、施設品質保証計画等の改訂を、本報告後2ヶ月を目途に実施する。

 以上により、この度の火災を教訓に、事故・トラブルの未然防止に努める。


2.焼却・溶融設備及び減容処理棟全体の今後のスケジュール
 報告後は、再発防止対策に係る検討結果に基づき、焼却・溶融設備について再発防止策及び措置を実施するとともに、減容処理棟の他設備についても安全強化措置を実施する。これらの措置について国等の確認を受けた後、非放射性の模擬廃棄物を用いた試験運転を再開する。
 非放射性の模擬廃棄物を用いた試験運転では最適な運転条件の把握のための調査を実施し、調査を終了した設備から順次実廃棄物の処理運転に着手する。実廃棄物の処理運転開始後は廃棄物処理量を徐々に増加して運転を実施し、運転従事者の習熟度を高めるとともに、廃棄体技術基準に関するデータ収集、運転条件の最適化等を行う。また、処分用廃棄体作製マニュアルを整備し、平成21年度ごろ定常運転へ移行する計画である。
以 上

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