代表的トリチウム酸化活性菌とバイオトリチウム除去装置

 原子力施設から環境に放出されたトリチウムガスは、土壌に一般に棲息する数種の微生物(放線菌)9のヒドロゲナーゼ活性10作用によって常温で酸化され、トリチウム水へ変換されている。
 表1に本研究で使用した代表的なトリチウム酸化活性菌を示す。菌は森林などから広く採取できるものであり、DNA分析等を実施して、Kitasatospora属及びStreptomyces属11の放線菌の一種であることを同定している。またこれらの菌の4℃での低温長期保管実験も実施しており、約1年の低温保管後でも、若干の性能劣化(初期の除去効率の70%程度、Kitazatospora属の方が保存に対する性能維持率は良好)は見られるが、使用には問題ないことを確証している。





 上記の菌株をそれぞれ30℃で10日ほどフィルター上に培養し固定したカセット状のバイオトリチウム除去装置13:図1参照)を作製し、今回の実験に使用した。


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