独立行政法人日本原子力研究開発機構：JAEAメールマガジン　No.355

Preliminary conceptual design of the secondary sodium circuit-eliminated JSFR (Japan
Sodium Fast Reactor) adopting a supercritical CO2 turbine system, 1; Sodium/CO2 heat
exchanger

http://dx.doi.org/10.11484/jaea-research-2014-015

＝　現場から　＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝

原子力平和利用と核不拡散・核セキュリティに係る国際フォーラムの開催

最近では、つい先日もフランスの新聞社を標的としたテロが起こるなど、世界中でテロ事件
が頻発しています。幸いにして核物質等を使用したテロ事件は起こっておりませんが、原子
力施設がテロの被害にあうことを防止し、また、核物質等がテロ活動に利用される事を防ぐ
ための様々な取組を核セキュリティといいます。また、イランの核協議の話題が新聞でも取り
上げられていますが、核兵器を保有する国を増やさないことを核不拡散といいます。私たち
核不拡散・核セキュリティ総合支援センターでは、国際的な核不拡散体制、核セキュリティの
強化に貢献するために様々な活動を行っており、今回紹介する「原子力平和利用と核不拡
散・核セキュリティに係る国際フォーラム」も、核不拡散・核セキュリティについて一般の方へ
の理解増進と国際的な議論の促進を目的として、年1回開催しているものです。

平成26年12月3日に開催した今年度の国際フォーラムでは、米国国務省ボニー・ジェン
キンス大使、オリ・ハイノネンハーバード大学ケネディ行政大学院　上級研究員（元IAEA事務
次長）、大島賢三前原子力規制委員会委員といった、国内外の有識者の方々にご講演いた
だきました。また、パネルディスカッションでは、「国内外の情勢を踏まえた効果的・効率的な
核不拡散確保のための方策と技術開発の役割及びその方向性」と「核不拡散・核セキュリテ
ィ分野の人材育成の中核拠点（COE）の役割と今後にむけた期待」という二つのテーマを取り
上げ、政策的観点及び技術的観点から議論を行いました。

「国際」フォーラムですので、この分野で外国の著名な方をお呼びしますが、なかなか講演
者やパネリストが決まらない等、毎年、事務局泣かせの準備作業の日々が開催前の２～３か
月は続きます。しかし、ご参加いただいた方々からは概ね好評をいただいており、また、講演
者やパネリストの方々からは、核不拡散・核セキュリティに関しての日本への期待、特に原子
力機構に対する期待の発言も多く聞かれます。今後も、こうした議論を展開する場として、本
フォーラムを更に充実させていきたいと考えています。