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■■■□□□ JAEAメールマガジン
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++---- No.96 目次 ----++

現場から ____ 研究施設からでた廃棄物を埋設処分へ−埋設事業推進センター

海外事務所便り_ EPRIとEIAがCO2排出削減に向けた提言書を作成(ワシントン事務所)

プレス発表、お知らせ、採用情報、調達情報

あとがき

━ 現場から ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

研究施設からでた廃棄物を埋設処分へ−埋設事業推進センター

原子力に関する研究開発や放射線利用の後には、放射性廃棄物が発生します。

このうち、研究機関、大学、医療機関等で研究開発や産業、医療活動等の結果発生したものは「研究施設等廃棄物」と呼ばれており、昭和20年代より発生し続けています。研究施設等廃棄物は、全国の約2,400事業所で発生し、現在の廃棄物保管量は、200リットルドラム缶換算で55万本を数えます。

これらの廃棄物は処分されておらず、このような状況が続けば、近い将来、事業者の保管施設は逼迫し、

・今後の研究開発や利用に支障をきたす
・老朽化施設を解体できない

等の困難な状況に陥ります。

これまで、研究施設等廃棄物については、国や関係機関で議論・検討が進められ、平成18年に文部科学省のRI・研究所等廃棄物作業部会において報告書が取り纏められました。その後も継続して検討が進められた結果、平成20年の原子力機構法改正により、原子力機構が同廃棄物の埋設事業の実施主体となりました。

本埋設事業では、原子力発電環境整備機構(NUMO)の処分事業対象である高レベル放射性廃棄物等を除いた低レベル放射性廃棄物であって、原子力機構の廃棄物及び原子力発電所由来の廃棄物以外で処分の委託を受けた廃棄物を対象としています。

当面は第一期事業として、平成60年度までに発生が見込まれる対象廃棄物約53万本(200リットルドラム缶廃棄体換算。平成20年度の調査結果による。)を浅い地中に埋める方法(「ピット処分」及び「トレンチ処分」)で埋設処分を行います。

事業スケジュールとしては、立地活動を経て地元の合意が得られた年を起点とし、埋設施設周辺の環境調査や施設設計等を初期建設期間として約8年で実施し、約50年間の施設操業を経て、最終的な埋設施設の覆土を約3年かけて行うことを想定しています。その後は、コンクリートピット処分で約300年間、トレンチ処分で約50年間を目安とした管理期間を設け、放射能の減衰に応じた埋設地の段階的な管理を予定しています。

様々な施設から発生するこれらの研究施設等廃棄物を埋設処分することは、我が国初の試みです。

廃棄物の規制制度化の整備や技術基準、処理・集荷に関する整備等、取り組むことはまだまだありますが、まずは機構法に基づく「埋設処分業務の実施に関する計画」の認可を得て事業をスタートできるよう、埋設事業推進センター員一同、力を合わせて頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

(事業計画課長 吉岡龍司)

━ 海外事務所便り ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

*当機構の海外事務所から寄せられたニュースを紹介します。

EPRIとEIAがCO2排出削減に向けた提言書を作成

米国電力研究所(EPRI)は8月3日、米国の電力事業者は2030年までに、年間のCO2排出量を2005年レベルで41%まで削減できるとした報告書を公表した。報告では、増加し続けるエネルギー需要を満足し、かつ電力費用を制限しながら、CO2排出量の低減を達成できると指摘。これを実現するためには、(1)1億台のプラグイン電気自動車とトラックの使用、(2)炭素捕獲と貯留(CCS)設備を備えた石炭火力発電所の整備、(3)現在の太陽光と風力発電を今後20年間で4倍に増加する、(4)2020年までに10 GWeの改良型原子炉の建設し、最終的には、2030年までに60 GWeの原子炉(45基に相当)を建設することが必要となると分析している。

また、その原子炉建設を実現するための条件には、(1)建設を着実かつ効率的に進めるための手段と手順、(2)使用済燃料管理のための総合戦略、(3)60年以上にわたって原子炉運転の高信頼性を確保するための材料と装置のライフサイクル管理が含まれるととともに、原発建設を含むすべての方策を講じた場合、2050年までの電力コストは現在と比較して80%上昇すると試算している。一方で原子力を現状レベルとし、石炭・ガスのCO2排出捕獲技術を行わないなど部分的方策のみを講じた場合には、電力コストは210%上昇すると試算している。

なお本評価では、下院を通過した米国クリーンエネルギー・安全保障法案(通称「Waxman-Markey気候法案」)が求めている、2050年までに1990年レベルから83%(2030年時点では42%)の削減を求めた厳しい要求にも対応できるとしている。
 http://mydocs.epri.com/docs/SummerSeminar09/Specker09SumSem.pdf

一方、DOEエネルギー情報局(EIA)がこのほどまとめた報告書では、米国クリーンエネルギー・安全保障法案の要件を施行するために、2030年までに米国内で必要とされる電力量の1/3以上を原子力で供給する必要があると指摘している。EIAは、2030年までの新規原子力発電容量を最小で15 GW、最大で135 GWとした11のシナリオを提示して、それぞれのケースを分析。その一つである基本シナリオでは、法案によって要求されている二酸化炭素の排出削減を達成しながら、増加する電力需要を満足するためには、20年間で原子力発電容量を約2倍にする必要があり、既存原発の発電容量(100 GW)に加えて、96 GWに相当する新規原発を建設する必要があるとしている。

http://www.eia.doe.gov/oiaf/servicerpt/hr2454/index.html?featureclicked=1

(ワシントン事務所)

━ プレス発表 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━ お知らせ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━ 採用情報 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

*上記の詳細はhttp://www.jaea.go.jp/saiyou/index.htmlをご覧下さい。

━ 調達情報 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━ あとがき ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

日増しに秋も深まり、北国では紅葉も見ごろを迎える頃かと思います。

夏には青々と茂っていた広葉樹の葉が、寒くなるころには黄色や赤色にその身を変えるとは不思議なことですが、これも樹にとっては落葉するための準備にほかなりません。

落葉する前の元気な葉にはクロロフィルという緑色の色素が多量に含まれ、活発に光合成をしていますが、落葉前になって光合成を行わないようになると、クロロフィルが壊れていき、ニンジンやカボチャなどにも含まれている「カロチノイド」という黄色の色素が残ります。そうすると、葉が黄色く見えるのです。

また一方、赤く染まる葉の方では、黄色の葉と同じように「カロチノイド」が残りますが、それに加えて細胞中にあった糖分が「アントシアン」という黒豆などにも含まれている赤色の色素に変わります。

このようにして、葉っぱが黄色に見えたり赤色に見えたりするのです。

紅葉の美しさも、木々の葉が光合成という役割を終え、落葉する前の一時の華やかさと考えると、一層感慨深く眺めることができるかもしれません。(広報部 中村幸恵)

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【発行】独立行政法人 日本原子力研究開発機構 広報部  佐田務、上野信行 JAEAロゴ ○

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