■■■   JAEAメールマガジン   ■■■

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2012.1.6/No.206 ━━━

〔現場から〕包括的核実験禁止条約の国際検証制度に係わる取組み(核物質管理科学技術推進部)

〔東日本大震災発生に伴う対応状況〕

〔お知らせ、採用情報、調達情報〕

= 現場から ==========================

包括的核実験禁止条約(CTBT)の国際検証制度に係わる取組み

包括的核実験禁止条約(CTBT)は、核兵器廃絶の重要なステップとして1996年に国連総会において採択され署名開放されました。2011年12月現在、182の署名国をメンバーとするCTBT機関準備委委員会において、条約遵守を検証するための国際検証体制の整備が進められています。
  CTBTでは、締約国の義務としてあらゆる核爆発実験を禁止しており、これを国際的に検証するため、全世界337ヶ所の観測施設からなる国際監視システム(IMS)、各観測施設からのデータを収集し各締約国が行う条約遵守検証のためのデータ配信を主な責務とする国際データセンター(IDC)、締約国からの発議により条約違反の有無を調査する現地査察(OSI)からなる検証体制を規定しています。
  IMSについては、既に全地球をほぼカバーする270ヶ所以上(約80%)の観測施設が稼働しデータを毎日配信しており、事実上の核実験監視体制が確立されつつあります。

  核物質管理科学技術推進部では、条約で日本国内に設置することが定められている放射性核種に係わる3つの監視施設(沖縄、高崎、東海)の整備を完了し核実験監視のための技術要件を満足する施設としての認証を得て運用を行い、毎日データを世界へ発信しています。また、世界中の観測所網から得られるデータはIDCを経由して原科研内に設置された国内データセンター(NDC)で受信し、日常的にデータ解析が行われています。
  CTBTにおける放射性核種監視は、従来の環境モニタリングに比較して高感度/高頻度/高品質であり(例えば、Xe-133の検出可能放射能は約0.2mBq/m3、Ba-140については約10μBq/m3)、Be-7等の自然放射性核種を含めて地球規模で毎日データが得られる画期的なシステムとなっています。従って、本来の核実験監視という目的のみならず、災害監視や科学的研究のためのデータとしても非常に応用範囲の広い有用なものになると期待されています。

  東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故では、大量の放射性物質が環境中に放出され地球規模で拡散していますが、原子力科学研究所内のNDCにおいてもCTBT国際監視網における観測データを毎日受信しデータ解析を行いました。
  地球規模では、カムチャッカ半島→北米→北大西洋→欧州→シベリアと概ね北半球を東周りに約12日で1周し、Xe-133の場合、4月上旬には北半球でほぼ均一化され各観測所での濃度は同程度となり、その後は半減期(約5.27日)に従い減少し6月中旬頃には事故前のレベルに戻っています。また低緯度〜赤道〜南半球にも一部拡散したことが確かめられています。

(核物質管理科学技術推進部 小田哲三)

= 東日本大震災発生に伴う対応状況 ===============

警戒区域、計画的避難区域等における除染モデル実証事業の近況

福島県内の警戒区域、計画的避難区域等11市町村において昨年11月から除染モデル実証事業を実施しています。実証工程は、除染対象区域内の汚染レベルを知るために細かにメッシュ状に空間線量率や地表面、地中の汚染の程度を計測することから始まります。現在は、11市町村すべての除染対象区域で、次のステップの除染実証(リター層除去、汚染表土の撤去、建物や道路の洗浄等)が行われています。
  除染対象区域の一部は、雪に覆われ始まりましたが、雪や厳しい寒さの中での作業が続けられています。今後は作業の結果を取りまとめ公表されることになっており、これらが国、県、市町村で本格化する除染作業へ寄与することが期待されています。

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福島第一原子力発電所事故への対応を行っています。

原子力機構は福島第一原子力発電所事故に関して、さまざまな活動を行っています。その全般的な内容については下記をご覧ください。
  http://www.jaea.go.jp/jishin/gaiyou2012/0105.pdf

= お知らせ ==========================

東海再処理施設 耐震安全性評価報告書の再点検について

http://www.jaea.go.jp/02/press2011/p11122801/index.html

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新型転換炉原型炉施設廃止措置計画認可申請書に記載された放射性物質量の評価結果等に係る誤りの有無の調査結果の報告について

http://www.jaea.go.jp/04/turuga/jturuga/press/2011/12/p111227-2.pdf

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「高速増殖原型炉もんじゅ 耐震安全性評価結果報告書」の入力データの再点検状況について

http://www.jaea.go.jp/04/turuga/jturuga/press/2011/12/p111227.pdf

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原子力機構では核融合研究施設を利用する共同研究を募集しています。

http://www.naka.jaea.go.jp/etc/bosyuu/kyoudou_h24/bosyu_h24.html

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核不拡散・核セキュリティ総合支援センターのHPを紹介します。

http://www.jaea.go.jp/04/iscn/index.html

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原子力機構では役員(理事)2名を公募しています。

http://www.jaea.go.jp/02/news2011/yakuinkoubo/index.html

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高崎量子応用研究所では1月25日に高崎市内で、「放射線利用フォーラム」を開催します。

http://www.taka.jaea.go.jp/information/forum_2012/poster2012.pdf

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安全研究センターは1月17日に都内で、成果報告会を開催します。

http://www.jaea.go.jp/04/anzen/news/nsrc2012.pdf

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週報(平成23年12月23日〜平成24年1月6日)

http://www.jaea.go.jp/02/press2011/p12010602/index.html
  http://www.jaea.go.jp/04/turuga/jturuga/press/2012/01/w120106.html
  http://www.jaea.go.jp/04/ztokai/repro/week/s120106/weekly.htm
  http://www.jaea.go.jp/04/tono/syuho/231223_240106.pdf

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人事異動(1月6日付)

http://www.jaea.go.jp/02/press2011/p12010601/index.html

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人事異動(1月5日付)

http://www.jaea.go.jp/02/press2011/p12010501/index.html

= 採用情報 ==========================

詳細は http://www.jaea.go.jp/saiyou/index.html をご覧下さい。

= 調達情報 ==========================

詳細は http://www.jaea.go.jp/02/2_6.shtml をご覧下さい。

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【配信希望、アドレス変更、配信停止】 http://www.jaea.go.jp/14/14_0.html

【ご感想やご要望】 http://www.jaea.go.jp/13/13_1form.shtml

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【発行】 独立行政法人 日本原子力研究開発機構  広報部   佐田務、岡田学

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