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■■■□□□ JAEAメールマガジン
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++---- No.108 目次 ----++

現場から ____ 高速実験炉「常陽」−大洗研究開発センター

海外事務所便り_ フィンランドにおける欧州型加圧軽水炉(EPR)の建設

広報紙から___  「もんじゅ」試運転再開に向けて(「つるがの四季」No.86)

プレス発表、お知らせ、採用情報、調達情報

あとがき

━ 現場から ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

高速実験炉「常陽」−大洗研究開発センター

地球に存在するウランは、約46億年前の超新星の爆発で一挙に生成され、その後ウラン235は7億年、ウラン238は45億年の半減期で消滅してきました。このため、現在は99%以上が軽水炉では使い難いウラン238ですが、高速増殖炉(FBR)ではこれを今後千年以上にわたって有効に使い続けることができます。このため、世界各国が原子力の黎明期からFBRの開発に着手し、我が国も当時の英知を結集して高速実験炉を建設しました。それが大洗研究開発センターの「常陽」です。

「常陽」は1977年4月に初臨界を達成し、30余年の運転を通じてMK-I、MK-II、MK-IIIと炉心が高度化され、原子炉出力は5万kWt→10万kWt→14万kWt と約3倍になっています。最初のMK-I 炉心では、増殖性や自然循環による炉心冷却特性の実証、炉心管理やプラントの保守・補修技術の蓄積などを行いました。続くMK-II 炉心では、後続FBRの燃料・材料の開発を中心とする種々の照射試験を行い、MOX燃料の燃焼挙動や溶融限界性能、燃料の燃焼度管理、使用済燃料の崩壊熱に関する研究開発を進めました。2004年5月からは、照射性能をさらに向上させたMK-V炉心で本格的なサイクル運転を開始し、照射試験を加速する一方、新技術の実証、教育訓練等を含む広範な分野で貢献してきました。

近年は、FBRサイクルの実用化に向け、経済性向上に資する高性能燃料の開発、環境負荷低減を目指したマイナーアクチニド燃焼技術の開発、安全性向上のための自己作動型炉停止機構の開発を進めております。

現在、「常陽」は原子炉容器内で発生した照射試験装置のトラブルにより燃料交換ができず長期停止を余儀なくされておりますが、一刻も早くこのトラブルを解決して運転を再開し、FBRサイクル技術開発の第一線に復帰することに努力しております。「常陽」の原子炉格納容器の運転操作床に大きな羅針盤が描かれています。そこには我々の希望を象徴した哲学者セネカ(ローマ 紀元前4、5年頃〜65年)の詩の一節「かくも明白な事実を我々が今やっと体験した」ということに、子孫達が驚く時が来るであろう!がラテン語で書かれており、私たちの羅針盤ともなっています。

大洗研究開発センター 高速実験炉部 高速炉技術課 伊藤主税

━ 海外事務所便り ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

*当機構の海外事務所から寄せられたニュースを紹介します。

フィンランドにおける欧州型加圧軽水炉(EPR)の建設

フィンランドでは、現在、4基の原子力発電所が運転中である。同国南西部のオルキルオト原子力発電所1,2号機(アセアトム社製BWR、各89万kW)、同じく南東部のロビーサ原子力発電所1,2号機(旧ソ連製加圧水型軽水炉VVER、各51万kW)がそれで、いずれも1970年代の終りから1980年代の初めに運転を開始した原子炉である。フィンランドは、この4基の原子力発電所で総発電電力量の約4分の1を賄っている。

現在、建設中のオルキルオト3号機(EPR、160万kW)は、同1・2号機の西隣に位置し、いわゆる第V世代炉といわれる欧州型加圧軽水炉(EPR)である。EPR基本構成は、在来のPWRと同じであるが、より一層の経済性、安全性を追求した原子炉と言われている。(パリ事務所)

━ 広報紙から ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

*当機構が社外向けに発行している広報紙などからトピックスを紹介します。

「もんじゅ」試運転再開に向けて

「もんじゅ」は11月9日に「安全性総点検に係る対処及び報告について(第5回報告)」を原子力安全・保安院に提出し、福井県・敦賀市に報告しました。(続きは「つるがの四季」No.86 http://www.jaea.go.jp/04/xturuga/shiki/Tsuruga-no-Shiki-86.pdf をご覧ください)

━ プレス発表 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━ お知らせ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━ 採用情報 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

*上記の詳細はhttp://www.jaea.go.jp/saiyou/index.htmlをご覧下さい。

━ 調達情報 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━ あとがき ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

大勢の人でごったがえす参道。年末年始の有名な社寺でくり広げられる風景です。日ごろは信仰心がさほどでもない人も、この時ばかりは例外のようで、たくさんの人が神社や仏閣にでかけます。

この正月について、柳田国男は「もとは正月は盆と同じように、家へ先祖の霊の戻ってくる嬉しい再会の日であった」と述べています。大みそかに年棚を作り、シメを飾るのは、その歳神を迎えるためだったようです。

しかし、こうした臨時の聖空間を設けるには、町中の家は狭すぎました。やがてそれは、氏神やその年の恵方の方角の寺社へ詣でる恵方詣へとだんだんに変化していきます。さらに明治になると、それらとは無関係に、有名な寺社への参詣が増えてきます。歳神を迎えるのではなく、神様がいる場所まで出かけていくようになったわけです。

さて私も、大混雑の中、もうすぐ出かけることといたします。(佐)

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【発行】独立行政法人 日本原子力研究開発機構 広報部  佐田務、上野信行 JAEAロゴ ○

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