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茨城県ひたちなか市にある国営ひたち海浜公園では、450万本あるネモフィラが見頃を迎えました。ゴールデンウィーク中は、公園内の丘陵を薄紫色に染め上げた花を見ようと、多数の観光客でにぎわったようです。私のゴールデンウィークは、花に囲まれ読書をし、心の洗濯をしていました。
そんな中、連日、新型インフルエンザについて報道されていますが、今のところ日本では大きな混乱はないようです。今後の情報にお気をつけください。
インフルエンザの予防策として、マスク着用は一定の効果があるといわれています。
現在、原子力機構の特許を利用して製品化されたマスクもあります。グラフト重合という技術を使い、不織布フィルター素材にポリビニルピロリドン、ヨウ素を化学結合(ポビドンヨード結合)させたフィルターを備えたマスクです。「ポビドンヨード」はウィルスや細菌の細胞膜を破壊します。タンパク質や脂質を破壊されると、ウィルスは感染力を失ってしまう効果があります。その他、原子力機構は、社会の発展に寄与することを目的に取得した特許や実用新案などを新製品の開発に役立てていただく成果展開事業を行っています。
http://sangaku.jaea.go.jp/index.html
広報部広報課 上野信行
さて、今回の「研究開発現場から」は、幌延深地層研究センターです。
幌延深地層研究センターでは、3本の立坑(東立坑、西立坑、換気立坑)等からなる地下施設を建設して、深地層の研究(幌延深地層研究計画)を進めることとしております。この地下施設のうち東立坑と換気立坑の掘削を平成17年度に開始しており、平成21年3月末現在、東立坑は深度140mに、換気立坑は深度250mに達しております。
平成20年12月から、深度140m水平坑道のボーリング座や小型試錐座を使用した調査・研究を実施しております。これに伴って、当センターの研究者のみならず共同研究機関等の研究者や技術者が、調査・研究作業のために地下施設に多数入坑しています。
このため、地下施設における調査・研究作業等について、より一層の安全確保を目指して、関係する安全関係規則類の見直し・改定を行うとともに、地下施設内での作業安全については、地下施設建設工事共同企業体(JV)の作業所長を安全衛生管理義務者に指名して、安全衛生管理義務者を頂点とする安全管理体制を整備しました。このように、当センターでは安全確保を第一に幌延深地層研究計画を進めており、今後も安全確保を最優先に進めてまいります。
平成21年5月13日には、深度140m水平坑道のうち東立坑と換気立坑を結ぶ部分が貫通しました。今年度は、東立坑を深度200m程度まで掘削する予定であります。また、経済産業省資源エネルギー庁から実規模設備整備事業を受託した財団法人原子力環境整備促進・資金管理センターとの、地層処分技術の信頼性向上に係る共同研究として、実物大の人工バリアモデル等の設備を展示する地上の施設の建設を行います。また、9月末には幌延町内に建設中の国際交流施設(仮称)が完成し、10月頃の運用開始を予定しております。
また、当センターでは、一般の皆様を対象とした地下施設見学会を4月から10月までの第4日曜日に開催しており、昨年度から実際に東立坑内に入っていただき地下世界を体感していただいています。これらを通して、より多くの方に高レベル放射性廃棄物の地層処分についての理解を深めていただければ幸いです。当センターでの調査研究や地層処分ついて紹介・展示しているPR施設「ゆめ地創館」や実物大の人工バリアモデルを展示した実規模設備整備事業の仮設の建屋もありますので、道北へお越しの際には是非お立ち寄りください。当センター員一同、皆様のご来訪をお待ちしております。
幌延深地層研究センターホームページ http://www.jaea.go.jp/04/horonobe/index.html
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【編集・発行】独立行政法人日本原子力研究開発機構 広報部広報課
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