若手職員紹介

髙橋 裕太(平成30年入社)

より長く、より多くの廃棄物を固化処理する技術の開発で廃止措置に貢献

原子力関連施設の廃止措置等に伴って発生する廃棄物は、処理後、安定した状態で処分することが望まれます。私の所属している廃棄物処理技術課では、廃棄物の固化処理技術の高度化(溶出量の低減など)に向けて、固化体の溶出量や強度などを調べるために、セメントや他の新材料を用いた固化体を作製し、試験、分析を実施しています。
 また、機構内だけでなく、国内外の機関と連携して研究開発を進めています。大学の先生や技術者の方々とのデータの少ない材料に関する情報共有や課題解決に向けた議論は良い刺激になります。この他にも、定期的な実習生の受入れや学会発表、資格取得なども積極的に行っており、活気のある職場だと感じています。

私は本研究において、地下深くに処分した固化体がどのように変化し、地下水に溶出した放射性核種がどのように動くか解析・評価しています。特に固化体の変化に着目していて、例えば、放射性核種の閉じ込め性能が低いとされるセメント固化体について、二酸化炭素で緻密な表面を作ることで溶出量を下げる試みや、経年劣化による影響を把握するための劣化加速手法開発などを行っています。これらの試みは溶出量の変化などを従来の評価と比較し、より長く、より多くの廃棄物を処理・処分できる可能性を示しています。
 得られた成果は、東京電力福島第一原子力発電所の廃止措置で発生している廃棄物をはじめとした廃棄物の処理および処分技術にも貢献できるため、セメント固化体の溶出量や他材料との比較データを多く取りたいと考えています。

廃棄物の処理と処分 両分野の知識と技術を持つ研究者を目指して

私は学生時代から高レベル放射性廃棄物の地層処分に関する解析・評価を行っています。現在は、試験によるデータ取得をメインに取り組んでいて、大学の学生実験以来、ほとんど触れてこなかった実験器具や分析装置に囲まれる生活をしています。

初めて扱う装置や材料も、高い専門知識や技術を持った方々の厚いサポートにより着実に知識と経験を積み、少しずつですが成果を得られてきています。特に、これまでにない劣化加速手法の開発では見つかる課題も多く、場合によっては試料の作製からやり直すこともありますが、この繰り返しが成長に繋がっていると感じます。

現在、廃棄物の処理・処分分野は個別に研究開発が進められていて、その連携が課題になっています。将来的に、分野間の橋渡しに貢献できるように、両分野の知識と技術を兼ね備え、試験から解析・評価まで一貫して取り組める研究者になることを目指しています。

一日の流れ

プライベートトーク

 旅行やテニス、料理が好きで平日も休日もアクティブに動いています。サイクル研のある東海村はテニスコートやスーパー、病院などの施設が整っていて、生活には困りません。また、東海村は筑波山や鹿島神宮などに日帰りで行くことができ、自然の中でのんびりすることが好きな私には魅力あふれる場所になっています。特に、東海村から車で1時間ほどの大子町にある温泉には足しげく通っています。温泉の周辺には袋田の滝や月待の滝、美味しくて雰囲気の良いお蕎麦屋さんもあり、リフレッシュするにはオススメです。魅力的なスポットが目白押しの茨城にこれからもはまっていこうと思います。