若手職員紹介

刀根 雅也(平成31年入社)

次世代のガラス溶融炉の設計・製作で高放射性廃液のガラス固化に貢献

東海再処理施設のガラス固化技術開発施設(TVF)では、原子力発電所で使用した核燃料を再処理した際に発生する高放射性廃液のガラス固化を行っています。TVFの現行のガラス溶融炉(2号溶融炉)は平成16年度の運転開始から、これまでに205本(令和4年7月末時点)のガラス固化体を製造しており、溶融炉の設計寿命を踏まえると、2号溶融炉では東海再処理施設に残っている全ての高放射性廃液をガラス固化することはできないため、次期溶融炉(3号溶融炉)への更新を必要としています。
 私の所属するガラス固化技術課では、3号溶融炉の設計・製作や、高放射性廃液のガラス固化に関する技術開発を担当しています。その中で、私は溶融炉更新チームに所属し、主に3号溶融炉の設計・製作を行っています。
 設計業務においては、2号溶融炉の改善点を抽出するとともに、3号溶融炉への反映方法の検討、アクリルモデルによる炉内のガラスの流れの可視化試験等を行いました。また、溶融炉に使用する耐火レンガの妥当性評価や、耐震解析等による溶融炉の安全性評価を行いました。現在は設計から製作段階に進んでおり、溶融炉を構成する各材料の品質確認から築炉までの各段階における立会検査や工程管理を行っています。
 東海再処理施設において、実際の高放放射性廃液を処理する溶融炉はこれまで2基しか製作されておらず、製作後は固化セルという人が立入れない区域に搬入されてしまうため、実機に触れることはできなくなってしまいます。そのため3基目の製作という貴重な経験は私が今後成長する上で大きなチャンスであると思っております。

恵まれた職場環境から大きく成長

大学時代は化学を専攻し、新規化合物の合成を行っておりました。大学時代の研究と現在の業務との関連性はほとんどなく、入社当時は図面の見方すら知りませんでした。しかし、職場の方々の手厚いフォローのおかげで、知識を身に着けることができ、非常に恵まれた環境で働けていると実感しています。また、原子力機構では、1年を通して人事部主催の原子力技術講座が開講されており、様々な分野の知識を習得する事が出来るため、自身が興味ある分野に関して学ぶことも可能です。
 今後も勉強を重ね、高放射性廃液のガラス固化に貢献していきたいと考えております。

一日の流れ

プライベートトーク

 就職を機に愛知県から茨城県に来て、驚いたのは自然の多さです。車があれば比較的容易に海・山・滝にアクセスが出来るため、休日は出掛けることが多くなりました。季節によって景色も変わるので、四季折々の風景を楽しむことが気分転換になっています。最近驚いたのは冬の袋田の滝で、高さ120 mの滝が完全に凍っている姿に目を見張りました。
 茨城に来るまではインドア派でしたが、休日の過ごし方が変わり、充実した日々を過ごせています。