ヨーロッパでは、フランスやイギリスなどの15ヵ国でEU(欧州連合)がつくられていますが、このEUと日本で図らずも一致している数字があります。それは原子力によって電気を作っている割合で、どちらも約35%。ヨーロッパでも日本でも、原子力発電がエネルギーの安定供給に貢献しているわけです。 その一方で、ヨーロッパと日本で大きく異なる点もあります。ヨーロッパの国々は、島国のイギリスも含め送電線やガスのパイプラインで結ばれ、日常的に電気の輸出入などが行なわれています。ヨーロッパにはエネルギー資源に恵まれた国もあれば乏しい国もありますが、全体でエネルギーの安定供給を図ることができるのです。 |
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これに対して日本は、資源小国でエネルギーの自給率が極めて低いうえ、他国からの電気の輸入も難しいという事情をもつ国です。このため、できるだけ自給率を高め、安定してエネルギーを供給できる体制を整えていくことが、将来への大きな課題となっています。 日本が、原子力発電の燃料となるウランをリサイクルする「核燃料サイクル」の実現に取り組んでいるのも、こうした他の国とは異なるエネルギー事情をもっているためです。 |
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